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淡海ネットワークセンター(Ohmi Network Center for Voluntaly Organizations)
淡海ネットワークセンターは、地域や社会の課題解決に自主的に取り組むNPOや市民活動をサポートしています。




環境との共存

今年は19××年最後の年である。もうすぐ20××年に足を踏み入れようとしている。1999年から2000年になったところでその間に決定的な違いはないのであるが、100年というスパンで私たちの時代を再考し、未来を見つめてみるのには、絶好の機会である。

今年は地球上の人口が60億人を超える年だという。100年前の人口は16.5億人だったので、100年間で約3.6倍になったという勘定になる。2050年には89億人になるという予測がされているが、どうなるであろうか。20世紀はすべてが拡大指向の時代であった。人口、エネルギー消費、土地開発、資源採取そして廃棄物、これらをすべて拡大してきた。その結果、さまざまな環境の劣化が各地でまた地球規模で問題となるようになった。拡大指向の世の中は、人間生活が最終的に環境によって支えられている限り、その制約にぶち当たることになる。それが環境劣化として顕在化するだけでなく、環境劣化が人間の生命と健康、経済生活、精神生活、文化生活をも脅かすことになる。それが、現在の環境問題といわれるものが持っている意味であろう。

翻って考えてみると、人間が環境によって生かされている生物である限り、環境と共存できる生活を指向することに人間の幸福があるはずである。そうであれば、自然環境への影響をできるだけ小さくする生活をめざす方向に進むことが、私たちの喜びとなるはずである。だが、人間の個人的欲望と環境との共存は相容れないと思っているのも現実である。なぜなら、人間の幸せを他人と共有できない個人の排他的な利益にすべて置き換えてしまうと、自己の利益のために他のものはすべて犠牲にしてしまい、自然との共存などはとんでもない話になってしまうからである。しかし、私たちの喜びには、もうひとつ別の喜び、すなわち他人(自己以外)と共有することによって味わうことのできる喜びがある。このような喜びを味わえる社会をつくることが、人間と環境との共存を実現する時代における人間らしい人間、生物らしい人間、本来の人間を取り戻すことにつながるのである。人間と人間が分ち合える喜びを知ることができれば、次に環境との共存を人間の喜びにすることができるであろうからである。

仁連 孝昭(にれん・たかあき)
滋賀県立大学環境科学部教授
(財)淡海文化振興財団運営会議座長
1948年生まれ。著書「持続可能な水環境政策」(共著、技報堂、1997年)、「水文・水資源ハンドブック」(朝倉書店、1998年)など。
 



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