![]() 介護保険と市民活動
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| 介護保険とは |
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介護を社会全体で支える
東京法規出版「やさしい介護保険のてびき」参照 |
介護保険制度のしくみ![]() ![]() 制度の運営(保険者)は市区町村になります。 そして国や都道府県が、財政面および 事務面から支援していきます。 |

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●介護保険はリニアモーターカー 大山 ● なぜ、介護サービスが税金ではなく保険という制度になったのですか? 池田 ●今までの高齢者福祉施策は「措置制度」で、サービスが一人暮らしの方とか比較的社会的に弱い立場の人に限られて提供されてきました。その結果、多くの中間所得階層の人がサービスを全然利用できない状況になっています。また、「行政や福祉のお世話になるというのは恥ずかしい」という意識が、心のバリアとなって、積極的に利用されない状況にあります。 日本は高齢化の進行が速く、要介護高齢者の数も新幹線のような速さで増えています。これに追いつくには、リニアモーターカーに乗るといった新しい仕組みが必要で、介護保険はまさに一挙に制度を変えるものだと言えます。 社会保険の良さは、所得や扶養に関係なくすべての人が利用できる普遍的制度ということです。 ●市民参加の仕方 大山 ● 市民参加が強調されていますが、現実はどうですか? 池田 ● 介護保険制度は、介護保険事業計画策定の段階から市民参加がうたわれており、事業計画策定委員会の委員もかなり多く公募されています。市民参加が介護保険のおかげで、大きく動いたように思います。また、市民側もこれまでの告発型、陳情型から提案型となって、事務局がたじたじとなるような提案をしているケースもあちこち見られます。 具体的な参加の仕方ですが、まず第一に、わが町の地域ケアシステムをどうつくるかということです。 それには、介護保険料とサービスの関係を議論することです。 どういうサービスを受けたいのか。そのためにいくら必要なのか。サービスの量と質と一号保険料の関係を考えて提案するのが重要です。事業計画は5年間の2000年から2004年までなので、この5年間に町をどう変えるかという市民の具体的な設計図が必要ですね。 第二は、介護保険と地域の福祉力を組み合わせて提案していくことです。 在宅介護の最高給付額は35万円で、単身の重度の要介護高齢者が生活していくには70〜80万円必要となるでしょう。日本の給付水準の考え方は、特別養護老人ホームでの重度要介護者の費用までは在宅サービスも保障するというもので、北欧型とドイツ型のまん中です。しかし、地域によっては北欧型を目指してもいいわけで、介護保険を基礎に、上乗せや横出しだけでなく、自治体の単独事業やボランタリーな活動、低廉な住民互助事業などを組み合わせれば可能になります。 第三は、具体的に地域でのサービスの支えを事業体として展開していくことです。 ボランタリーなもの、低廉な住民互助事業をすべて住民ができれば住民自治の社会ができあがるわけです。もちろん、それをやらなくて介護保険まかせにして、あとは自助努力でもいいんです。ただし、それを選ぶのはその地域の住民なのです。 ●市民活動・NPOの役割 大山 ● 福祉を選択できる時代がきたというわけですね。では市民活動・NPOは介護保険が始まるにあたり、具体的にどのような働きをすべきでしょうか。 池田 ● NPOはまだ力不足です。介護保険の中で活動できるのは3割くらいでしょうか。経営能力、労務管理面を強くしなくてはなりません。一種の市場なので、そこには競争があります。だから経営体としてしっかりする必要があります。介護保険が始まったら 市民事業として展開するのか、ボランタリーとして展開するのかを分けておかないといけません。 組織を二つに分けてもいい。事業とするなら経営に注目し、しっかりと給料を払えるシステムにしないといけないと思います。そうしないとNPOは育たない。 また、NPOも介護保険に乗るのなら、アマチュアという意識を捨てないといけません。介護保険は、利用者が自己負担するので、サービス提供者も利用者も対等の関係です。また、利用者の苦情を解決することで、サービスの質も上がるということをしっかり押さえておかないといけませんね。 一方、介護保険はサービスですから、優しさは供給できません。話相手は重要なサービスですが、それに保険給付するのは困難ですから、その部分はNPOがボランタリーな部分として担うのがいいかと思います。 ●介護保険によって社会が変わる 大山 ● 介護保険によってどんなことが変わるのでしょうか。 池田 ● 地域政治が変わります。介護保険は基本的なサービスを提供するナショナルスタンダードです。様々な資源をいかして充実した福祉システムをつくる自治体も出てくるし、丸投げのところも出てくるでしょう。でもそれを決めるのは住民というシステムになっています。 大山 ● 地域によっていろんな差が出てくるのでそれをみて、なぜ自分の町はこうなんだ?という問題意識も生まれてくるわけですね。 池田 ● 生まれてこないところはそれまでです。問題意識が生まれてこないとそのままの結果が出ます。 自己決定、自己責任、自己負担が市民社会の論理です。介護保険はすごい情報公開制度でもあるんです。 保険料に対して、どんなサービスが受けられているかのすべての市町村の情報が比較できます。このデータを活用して、自分の地域の高齢者福祉政策を判断し、自分たちの町を自分たちでよくしていけるのです。保険導入の5年後に市民の力がためされるのです。 大山 ● 汗も出し、お金も出し、自分の意見も出すということですね。住民は賢い介護保険の使い方を知らなければならないですね。 池田 ● 市民も専門的知識を身につける必要があります。アランという哲学者は悲観主義は単なる感情、楽観主義は意志だと言っています。つくりあげるという気持ちがなければ楽観的な考え方は生まれてこない。批判は誰でもできるし、欠点を言うのは簡単です。市民自身が、どうつくっていくかが介護保険では重要なのです。 |
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インタビューを終えて 編集ボランティア大山 |
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社会が変わる!

急速な高齢化とともに、介護の問題が老後のもっとも大きな不安要因となっています。また、実際に介護を行っている人にとっても、家族だけで介護を行うことは、非常に困難になっています。 この制度は、介護を家族だけでなく社会全体で支え合い、利用者の希望を尊重した、総合的なサービスが受けられることを目的につくられました。

少子高齢社会を迎えて、高齢者の介護は大切な問題です。「我がまち」の介護保険がどんな内容で作られ、運営されていくのか、しっかり目を向けなければなりません。介護の社会化を目的としたこの制度が、同時に大きな社会変革の契機になり得るという池田先生のお話を伺って、本当に新しい市民社会・新しいコミュニティを創ることができるのだろうか、私は何ができるのかと思い、21世紀への夢と期待とチョッピリの不安が胸をよぎりました。