従来、NPO、NGO、もしくはボランティア団体への参加者に対して、自発性や無償性さらには継続性を過度に強調するきらいがありました。私が龍谷大学国際文化学部で担当する必修科目『社会調査分析表』では、7日程度の国際ボランティア団体における参加観察を受講生に課しています。30団体から希望先を選べる点は自発的ですが、体験的な参加そのものは強制です。団体に受入れをお願いしたり、学生に希望票の提出を求めたりするなかで、肯定する声が多い一方、自発的であるべきボランティア活動への参加を義務づけるのはどうかといっ た疑問が団体や学生の一部から出されることがありました。 学部の教育理念と経験の乏しい大学生の受入可能性の点で、国際ボランティア団体を主たるフィールドワーク対象に取り上げようとする私の立場は明確です。が、やや危惧を持ったのは、ボランティア団体への関与は専ら内発的な動機にもとづくべきだとする観念が日本社会を広くおおい、成熟した市民社会の形成を妨げているのではないかという点です。NPO法などの基盤整備が進み、欧米社会のように市民活動が広がれば、経済的報酬を受けながら働く専門スタッフを抱える団体もどんどん増えて行くはずです。自発性と他発性の両方ともがメンバーの動機づけとして重要な位置を占めるようになります。公的性格を持った組織目的を達成するために、あらゆるチャンネルを通じた市民へのアピールや動機を問わない人的資源の活用が重要課題となります。 大学のみならず中学、高校でもカリキュラムの中にボランティア活動を取り入れる動きがはじまっています。活動に参加する学生の動機づけはたしかに自発的なものではなく、また直ちに継続性が期待できるものでもありません。しかしながら、将来の市民社会をになう人材であることに間違いありません。長期的な展望にたちながら、教育機関のメリットと受け入れ団体のメリットのバランス調整を図っていくことが目下の課題だと考えます。
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