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淡海ネットワークセンター(Ohmi Network Center for Voluntaly Organizations)
淡海ネットワークセンターは、地域や社会の課題解決に自主的に取り組むNPOや市民活動をサポートしています。

 

 

3月22日開催「NPO税制度勉強会」より

 NPO活動を促進するための仕組みとして、98年3月に制定された特定非営利活動促進法(いわゆるNPO法)により、NPOの法人格取得の規制緩和という大きな成果 がありましたが、もう一つの課題、NPO活動を支える税制優遇制度については先送りされました。税制度は専門的で難しい面 もあり、税制改革に向けてのNPO・市民活動の盛り上がりも欠けているように思われます。

 そこで、今回は、NPO活動を促進する税制度を提案し、ロビー活動などを行っている『NPO/NGOに関する税・法人制度改革連絡会』の世話団体・大阪ボランティア協会の早瀬昇さんを講師に、去る3月22日に開催したNPO税制度勉強会の内容をお届けします。

今、議論が必要な理由

NPO法制定のときに、施行後2年以内に、法律の仕組みや税の改正案をまとめるということが国会で付帯決議され、そのシステムを3年以内にスタートさせるということが付則でうたわれました。今年の11月30日まで、あと8ヶ月の間に、意見を出し合いながら、これらの改正案をまとめなくてはいけない時期にあたります。

  税金には、全体の福利を守ること、社会を平等にするための所得再分配、そして多様な政策の誘導ができるという3つの役割があります。誰でも税金が減るなら興味を持ちますよね。みんなでNPOを支え、NPO活動を 活発にしていける税制度をこの機会につくることが可能なのです。

税制改革の内容

NPO・市民活動の良さは、行政に対して独立していることだと思います。民間の立場で自由に行政のような公共的なことを行う。機動性、開拓性、民間らしさが強くなるほど、私はNPOが元気になると思っています。では、その活動を財政的にどのように支えることができるのか。そのためには、民間から民間にお金が動くための税制度の改革が重要だと思っています。

  まず寄付です。お金の場合、寄付者の税金を減額する寄付金控除というのがあります。寄付金控除には、所得控除(課税所得から寄付控除額を控除)、税額控除(納税額から寄付金分を控除)がありますが、一般 的には所得控除ですね。マイレージ感覚で寄付金控除のある団体に寄付するのが楽しくなると思います。不動産の場合はどうでしょうか。Aさんが自分の土地をあるNPOの活動のために寄付するとします。でも税法上、Aさんが全く無償で寄付しても、寄付した不動産の時価分の譲渡益があったとしてみなされ、その時価分を寄付者が(!)課税(→みなし譲渡税)されます。寄付した上に税金をとられてしまうのです。この分を免税にする仕組みがあれば寄付しやすくなります。

  次に、事業収入ですが、日本の場合、その収益事業の目的がなんであろうと関係なく、その形態で課税されます。そこで、収益事業で得た利益をNPO活動にあてる、つまり組織内で寄付した(→みなし寄付金)として収益から減らすという仕組みです。

  NPOといっても財政基盤は、寄付が中心だったり、事業収入が中心だったり様々です。また一口に税といっても細かいので、寄付控除、みなし譲渡課税免税、みなし寄付の3本の柱で改革を進めていくことを提案しています。

税制の優遇を受けられる団体

 こうした特典を受けられる団体は、自治体・国の税収を減らすにたるだけの一定の公益性をもつことが必要です。そうでないと脱税や不正行為の温床になってしまいます。そこで、公益性の判定をどのようにするかがポイントです。日本でも特定公益増進法人(特増)には寄付金控除があります。

(表1・NPOに関する日本の税制度)

(3/22勉強会レジュメより)

 でも特増は、大蔵省と主務官庁が、国が本来するべきことを民間がしているとみなせる事業・団体について判断する。つまり、お役所で決められるものです。NPO法人には監督する主務官庁がありませんし、日本では、公益法人になることと税の優遇措置が一緒に考えられているため、公益法人になるのも大変で、特増はわずかその3%しかありません。法人になるというのは、団体としての出生届け、すなわち「団体としてあります」という意味にすぎませんので、税の優遇措置を受けるということと法人格をもつこととは切り離して考えるべきです。

 アメリカでは内国歳入庁(IRS)という行政機関、イギリスでは行政から独立したチャリティ委員会が、その公益性の判定を行っています。日本の場合、その文化から考えても、行政と独立したNPOの事業に明るいスタッフで新しい組織をつくり、NPOの公益性を判定していった方が、効果 的にできるのではないかと思っています。

公益性を判断する基準

NPOの公益性を判断する場合、私は、アメリカの審査方法が参考になるのではないかと思っています。アメリカの場合、まず、定款をもとに、その団体の有償サービスが低所得者を優遇するスライド制になっているかどうか、また理事が経営している団体との取引をしていないかなどとあわせて、運営について決算報告書つまり数字で客観的に調べます。
 特に収入については、その収入が寄付や本来事業による収入、行政の補助金や公益性をもった助成財団の助成金が、ある一定の割合をみたしているかを数式にあてはめて判断します(パブリック・サポート・テスト)。
 寄付といっても、単なる寄付の金額ではなく、どれだけ多くの寄付者から寄付金が集まっているか、多くの市民のサポートを得ているかが判断されます。寄付している人たちが多いほど内部統制ができ、そういった団体には寄付金控除の資格を与えてもいいのではないかということになっているのです。
 国の益になっているかというのではなく、多く人の支持があれば公益とみなしていく。今のNPOにはそれが一番いいのではないかと思います。
 また、予算規模が大きくなるほど審査が厳しくなります。円換算で年間予算300万円以下は審査がありませんが、1200万円以上の団体の場合は、正式な確定申告と幹部職員の賃金を公開することで、寄付者が適正な賃金かどうか判断します。つまりNPOをチェックするのは、国ではなく、国民、寄付者の役目だという考えです。

今、私たちは・・・

NPO法が施行されてから1年以上がすぎました。この法律は市民団体の強い働きかけによって成立したという特徴をもっています。今後の改正に向けても、これまで以上の市民団体による働きかけが必要です。『NPO/NGOに関する税・法人制度改革連絡会』では、制度改革に向けての活動に、多くの市民団体の参加を期待しています。これを機会に、自分たちの団体に即して税制改正について考えてもらうとともに、滋賀県内での市民団体の議論が深まることを期待しています。



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