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淡海ネットワークセンター(Ohmi Network Center for Voluntaly Organizations)
淡海ネットワークセンターは、地域や社会の課題解決に自主的に取り組むNPOや市民活動をサポートしています。

介護保険法が4月に施行されて約半年。これまでは行政か社会福祉法人、医療法人などに限られていた福祉の分野に民間企業とともにNPOが参入しました。 今回のおうみネットでは、介護保険を通して見えてきた、NPOの役割と可能性を考えてみます。
介護保険で対応できない部分をサポート ●NPOぽぽハウス

 基準該当サービス事業者(注)として県内初の指定を受けた彦根市にあるNPOぽぽハウス。きっかけは98年に開催された『女性の明日を考える市民のつどい』でした。介護保険の勉強をしていく中で、「営利目的の事業者では、サービスの質が心配だ、自分たちが倒れたときに安心して呼べるヘルパーを出していこう」と、99年4月に発足しました。

 現在、ヘルパー派遣部門とボランティア部門、幼児部門の3つに分かれて活動しています。ぽぽハウスのヘルパー派遣は、利用者の自立を促すため、利用者にとって何が一番大事かということが常に考えられています。しかし一生懸命になればなるほど、利用者が望むことと介護保険との差が見えてきて、介護保険で対応できない部分をボランティアで対応しています。

 彦根市以外からもサービスを求める声がたくさん届きますが、今でも手一杯で、十分な仕事ができていないと感じていたり、やはり自分たちの住んでいるまちを大事にしていきたいということから、NPO法人格の必要性をあまり感じないということです。「ぽぽハウスの“ぽぽ”はタンポポの“ポポ”。綿を飛ばして各地域にぽぽハウスが広がっていけば」と、代表の山脇さんが語ってくれました。

(注)法人格を持たないグループでも基準をクリアして市町村の認可を受ければその地域に限って介護保険サービスを提供できる制度

NPOぽぽハウス
事務局 山脇れい子さん
連絡先 TEL 0749-22-3222
彦根市小泉町869
人 数 約50人
設 立 1999年4月

 

▲ヘルパーの実習風景

▲理事長の山脇さん(左)と
ヘルパーリーダーの高木さん(右)
高齢者が「普通に暮らせる」拠点として ●共生舎なんてん

 共生舎なんてんは、今年の3月に石部町最初の宅老所として開設されました。開設者は溝口さん。従来の福祉のあり方に疑問を抱き、地域の中で障害者問題に長年取り組んでこられた方です。開設のきっかけは、介護保険の勉強会に参加したり、町の介護保険策定委員として勉強していくうちに、「高齢者に必要なのは地域の中で普通に暮らしていける拠点である」との思いを強めたことです。当初は、グループホームを地域でつくりたいという思いでしたが、まずは宅老所からと、町内の一軒家を購入しスタートしました。宅老所のスローガンは“住み慣れたところで・なじみの人と・やりたいことを”。利用者はヘルパーとボランティアスタッフに見守られながら、ある意味で自宅以上に普通の暮らしを宅老所で過ごされています。

 「宅老所をコンビニの数だけつくろう」というのが宅老所関係者の合い言葉だそうです。生活エリアに密着した宅老所が各地域にできていけば・・・。「介護保険は福祉全体からすれば5分の1くらいしかウェートを占めていない。それ以外の所は、地域住民の積極的な関わりでその隙間を埋めていく必要があります。ある意味でまちづくりの競争みたいなものですね」と溝口さん。

共生舎なんてん
TEL 0748-77-8346
石部町石部東3丁目1−5
▲理事長の溝口さん

インタビュー・滋賀の介護保険仕掛け人に聞く。

 介護保険に関わるNPOの動きから、地域でNPOを中心とする市民活動のこれからの あり方について、介護保険法制定前から関わり、滋賀県の介護保険の仕掛け人と言わ れる滋賀地方自治研究センターの北川憲司さんに編集ボランティアの大山純子さんが 聞きました。

▲滋賀地方自治研究センターの
北川憲司さん

大山:介護保険が始まりましたが、制度とは別にボランティアや地域の役割というこ とを考える必要が出てきているのでしょうか?

北川:介護保険は、核となる部分しかできないわけですから、その周辺のもの、限度を超える部分は地域でつくっていく。ボランティアサービス、宅老所やふれあいサロンなどをいかに地域でつくっていくかが問われています。介護保険は新しいまちづくりの大きな出発点とも言うことが出来ます。地域で汗をかかなかったら、これからの時代、地域間競争に負けてしまいます。サービスの良し悪しを知るには、情報、商品知識を利用者に誰でもアクセスできる環境をつくること、つまり介護の世界で消費者運動をどう起こすかです。商品知識があれば比較ができるし、議論ができます。介護保険が不十分なままでスタートしていることは皆さん知っているし、そのために制度の見直しもあるわけです。

大山:5年後のその見直しまでに市民サイドでやっておかなければならないことは何でしょうか?

北川:まず、介護保険を人任せにしないで、自分たちがサービス主体として介護分野に入っていくという姿勢が大切です。これは事業者(NPOも含む)としてでもいいし、ボランティアとしてでもいい。もうひとつの大きな役割は、消費者情報がきちっと出されてもそれを選ぶ中で騙される人もいるので、個々のサービス事業者がどれだけ良いか悪いかも含めて、市民サイドでチェックする機能が必要になってきます。

大山:『なんてん』の溝口さんは「コンビニの数だけ宅老所を」と言っておられます。滋賀県がそうなれる可能性はありますか?

北川:地域に密着した小規模な痴呆対応のグループホームを目指していますし、そのためには、NPOが地域でグループホームをつくっていくことが大切です。ただ、即グループホームを、というといろいろ難しい面がある。そこでできることからやっていこうということです。宅老所や地域サロンの立ち上げに向かっていろいろなムーブメントが起きています。宅老所というのは、小規模・多機能・双方向・地域密着のアラジンのランプみたいなものです。そして、コミュニティーをベースにした地域サロンの下ざさえがあってはじめて宅老所やグループホームへの理解が進むと思っています。地域の人の意識が変わり、ある臨界点に達したら一気に流れる。だから臨界点にいかに早く持っていくか。そのように頑張りたいですね。

インタビューを終えて(編集ボランティア:大山純子)

 介護保険をきっかけに、市民が大きく動き出し、女性の社会進出もめざましいものがあります。今回、2つのNPOを取材して、発想の柔軟さ、行動力、支える市民の力に感心し、新しいまちづくりへの意欲に共感を覚えました。21世紀は間近。たくさんの点がネットワークを結んで面への広がりをみせる時、北川さんの言われる臨界点がいつ訪れるのか、楽しみです。

(編集ボランティア 大山純子)



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