| ◆お◆う◆み◆ネ◆ッ◆ト◆エ◆ッ◆セ◆イ◆ |
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| 心の投票としての「寄付とボランティア」 |
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| どうも選挙が盛りあがらない。投票率が低迷して久しい。もっとも、投票する立場にたってみると、どの党の主張も大差なく、投票することで自分の政治的な態度がどの程度明らかになるのか、不鮮明なことも確かだろう。とりわけ、人々の公共的なニーズが、多元化してくると余計に難しくなる。自分の税金をどう使うのかというような主張を一票の中に入れることは至難のわざだ。 もし非営利団体(NPO)の活動が非常に活発になってくれば、こうした時の公共的なメニューの提示をする役割を果たすことができる。自分は、琵琶湖の環境保全が大事だと思えば、環境保全を行っている団体にボランティアとして参加をすればよいのである。ボランティアをする時間のない人は寄付をしてもよいだろう。環境保全と一言でいってもいろんなアプローチがあるし、たくさんのNPOがそれぞれいろんなやり方で琵琶湖を守ろうとしているのなら、その中から自分が一番よいと思う活動に参加したり寄付をすればよい。こういった行動は人々の公共的な活動に対する賛意をあらわすことになる。その点で、寄付やボランティアは公共財に対する、より直接的な一種の「投票行為」となる。NPOにしてみれば、多くのボランティアの参加を得たり、寄付が集まったりすることは、それだけ活動が評価を得たということになるだろう。私は最近、「寄付やボランティア」のことを「心の投票」と呼ぶようにしているが、それはとりもなおさず、これらの行動が公共的なニーズに対する賛意の表現になっていると考えるからである。税の優遇措置があれば、税金の配分先を人々が自分の手で決めることになって、なおさら投票行為としての意味合いが強くなる。 しかし、NPOへの寄付とボランティアが、真に「心の投票」となるためにはいくつかの条件がある。その中でも最も大事なのが、多数のNPOがそれぞれの価値観にしたがって活発に活動し、人々が自発的な意志で寄付やボランティアをしていることだろう。義理や付き合いの寄付ほどつまらないものはないことは肝に銘じよう。 |
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出口正之(でぐち・まさゆき) 総合研究大学院大学教授 ■1955年福岡市生まれ。大阪大学人間科学部卒業後、サントリー(株)入社。米国ジョン・ホプキンズ大学国際フィランソロピー・フェロー、サントリー文化財団事務局長を経て、現在、国立総合研究大学院大学教育研究交流センター教授。 |
