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まず「NPO/NGOに関する税・法人制度改革連絡会」の動きについてお聞かせください。 |
| 早瀬: NPO法の見直しと併せ、各地で勉強会を開催するなど(おうみネット2000年5月号トピックス参照)昨年の11月まで活発に活動をしてきました。12月に 与党税制調査会の意見が提出されたあとは、制度の解釈作業を行ってきました。これからは、認定の事例を積み上げ、制度への理解を深めていきたいと考えています。 |
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今回創設された制度をどのように評価されていますか。 |
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▲お話をうかがった大阪ボランティア協会の早瀬昇さん |
早瀬: 一言で言えば「一歩前進、五歩後退」です。認定要件が明文化され、特定公益増進法人(注2)の認定のように、行政の「裁量」が働かない点は前進だと思います。つまり条件が明文化されたから今後どのように改正していけばよいか訴えていきやすい。後退部分は、「制度ができたからそれでよいではないか」という、アリバイづくりになる恐れがある点と、それからやはり、認定要件が厳しいことです。その理由の一つとして、相続財産の寄附が認められたことが考えられます。これは一見プラスに見えますが、認定要件で、6親等内の血族と配偶者、3親等内の姻族からの寄附は1者からの寄附としかみなされず、パブリックサポートテストにますます通りにくいものになっています。
次に、認定を受けようとするNPOの事務負担が大きすぎる点も問題です。事業収入を中心にせず、寄附を受けて活動しようというNPOは規模が小さく、認定の事務負担があまりにも大きいと、認定申請のインセンティブが働かないことも考えられます。アメリカではNPOの規模に応じて、無条件で寄附控除を認めたり、簡易申請でOKというふうになっています。税という制度を使って「市民が自らの手でパブリックな価値を創り出すことを誘導する」というインセンティブを与えているはずなのに、これでは、寄附を通じてよい社会を実現していこうという動きが半減してしまいます。制度を創った側に「この制度を通じてどんな社会を実現したいか」というコンセプトがなかったといえます。 |
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今回の制度では「みなし寄附」制度(注3)が含まれていませんが。 |
| 早瀬: 「みなし寄附」制度は、逆見直し論=廃止論もある日本独自の制度であり、中間法人制度や民法34条改正の動きといった大きな流れも見据えて議論していく必要があると思います。それよりも、事業型NPOも認定されるような制度見直しが必要ではないかと思います。今回の日本型パブリックサポートテストでは、寄附の多さだけで決めています。アメリカでは、「本来事業収入」を多く得ているところも税優遇を受けている。しかし、今回の制度では、その議論が全くされなかったということです。 |
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よりよい制度を目指して、今後、どのように運動していくべきでしょうか。 |
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早瀬: まず、今の制度で満足してはダメですね。細かい除外規定が少し緩くなれば、 もっと多くのNPOが認定されます。例えば、認定要件で、「受入寄附金総額の2%を超える部分」が「総収入総額の2%」となっただけで、救われるNPOが多く出てきます。NPO側も自分たちの経理を公開し、「こういう条件だから通らない。でも、自分たちはこういう事業をしている。だからこういう条件でも通るように制度を変えよう」と客観的な事実を持って動いていく必要がありますね。そのためには、やはり自分たちが税制度に関心を持って自分たちで状況をチェックすることが大切です。また、私の個人的な意見ですが、相続部分と一般寄附を分けると親族要件が別になり、条件が緩くなり、救われるNPOもあると思います。
税制度に関する運動がもう一つ盛り上がらないのは、事業収入を主とするNPOは寄附に頼っていないから、制度の対象とならない。また、今回の制度は助成金を多く得ていると、認定を受けにくくなるため、「関係ない」と思われてしまった。そういうところが戦線離脱しないようにしながら運動を進めていく必要があると思います。 |
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市民活動・NPOは今後、どのように進んでいくと考えられますか。 |
| 早瀬: NPOは今後、事業収入を重視する形とより多くの市民やボランティアに支えられるNPOの大きく2つの方向に分かれていくと思います。後者はもっともNPOらしいNPOですが、そういうところは、あまり事業展開がうまくいかない。NPOにとって重要なのは、支える層がどれだけ厚いかだと思います。事業収入も大切ですが、「寄附」という一つの媒介によって「事業の何分の一かは市民の共感によって支えられている」という組織を作っていかないと市民社会の発展にとって、よくないのではないでしょうか。 |