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淡海ネットワークセンター(Ohmi Network Center for Voluntaly Organizations)
淡海ネットワークセンターは、地域や社会の課題解決に自主的に取り組むNPOや市民活動をサポートしています。

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 国税庁長官の認定を受けた特定非営利活動法人に対して寄附を行った個人または法人 が、所得税、法人税および相続税の優遇を受けられる制度が創設され、10月1日から施行されます。制度の対象となるNPO法人の認定に日本型パブリックサポートテスト(注1)が導入されるなど、従来の税優遇制度に比べ画期的な点が見られる反面、多くのNPOからは制度に対する不満が出ています。制度のどこに問題があるのか、また、今後どのように改善を求めていくのかなど、『NPO/NGOに関する税・法人制度改革連絡会』の世話団体・大阪ボランティア協会の早瀬昇さんにお話をお聞きしました。
まず「NPO/NGOに関する税・法人制度改革連絡会」の動きについてお聞かせください。
早瀬: NPO法の見直しと併せ、各地で勉強会を開催するなど(おうみネット2000年5月号トピックス参照)昨年の11月まで活発に活動をしてきました。12月に 与党税制調査会の意見が提出されたあとは、制度の解釈作業を行ってきました。これからは、認定の事例を積み上げ、制度への理解を深めていきたいと考えています。
今回創設された制度をどのように評価されていますか。


▲お話をうかがった大阪ボランティア協会の早瀬昇さん

早瀬: 一言で言えば「一歩前進、五歩後退」です。認定要件が明文化され、特定公益増進法人(注2)の認定のように、行政の「裁量」が働かない点は前進だと思います。つまり条件が明文化されたから今後どのように改正していけばよいか訴えていきやすい。後退部分は、「制度ができたからそれでよいではないか」という、アリバイづくりになる恐れがある点と、それからやはり、認定要件が厳しいことです。その理由の一つとして、相続財産の寄附が認められたことが考えられます。これは一見プラスに見えますが、認定要件で、6親等内の血族と配偶者、3親等内の姻族からの寄附は1者からの寄附としかみなされず、パブリックサポートテストにますます通りにくいものになっています。

次に、認定を受けようとするNPOの事務負担が大きすぎる点も問題です。事業収入を中心にせず、寄附を受けて活動しようというNPOは規模が小さく、認定の事務負担があまりにも大きいと、認定申請のインセンティブが働かないことも考えられます。アメリカではNPOの規模に応じて、無条件で寄附控除を認めたり、簡易申請でOKというふうになっています。税という制度を使って「市民が自らの手でパブリックな価値を創り出すことを誘導する」というインセンティブを与えているはずなのに、これでは、寄附を通じてよい社会を実現していこうという動きが半減してしまいます。制度を創った側に「この制度を通じてどんな社会を実現したいか」というコンセプトがなかったといえます。

今回の制度では「みなし寄附」制度(注3)が含まれていませんが。
早瀬: 「みなし寄附」制度は、逆見直し論=廃止論もある日本独自の制度であり、中間法人制度や民法34条改正の動きといった大きな流れも見据えて議論していく必要があると思います。それよりも、事業型NPOも認定されるような制度見直しが必要ではないかと思います。今回の日本型パブリックサポートテストでは、寄附の多さだけで決めています。アメリカでは、「本来事業収入」を多く得ているところも税優遇を受けている。しかし、今回の制度では、その議論が全くされなかったということです。
よりよい制度を目指して、今後、どのように運動していくべきでしょうか。

早瀬: まず、今の制度で満足してはダメですね。細かい除外規定が少し緩くなれば、 もっと多くのNPOが認定されます。例えば、認定要件で、「受入寄附金総額の2%を超える部分」が「総収入総額の2%」となっただけで、救われるNPOが多く出てきます。NPO側も自分たちの経理を公開し、「こういう条件だから通らない。でも、自分たちはこういう事業をしている。だからこういう条件でも通るように制度を変えよう」と客観的な事実を持って動いていく必要がありますね。そのためには、やはり自分たちが税制度に関心を持って自分たちで状況をチェックすることが大切です。また、私の個人的な意見ですが、相続部分と一般寄附を分けると親族要件が別になり、条件が緩くなり、救われるNPOもあると思います。

税制度に関する運動がもう一つ盛り上がらないのは、事業収入を主とするNPOは寄附に頼っていないから、制度の対象とならない。また、今回の制度は助成金を多く得ていると、認定を受けにくくなるため、「関係ない」と思われてしまった。そういうところが戦線離脱しないようにしながら運動を進めていく必要があると思います。

市民活動・NPOは今後、どのように進んでいくと考えられますか。
早瀬: NPOは今後、事業収入を重視する形とより多くの市民やボランティアに支えられるNPOの大きく2つの方向に分かれていくと思います。後者はもっともNPOらしいNPOですが、そういうところは、あまり事業展開がうまくいかない。NPOにとって重要なのは、支える層がどれだけ厚いかだと思います。事業収入も大切ですが、「寄附」という一つの媒介によって「事業の何分の一かは市民の共感によって支えられている」という組織を作っていかないと市民社会の発展にとって、よくないのではないでしょうか。
(注1)パブリックサポートテスト
NPOが行政や助成財団、企業、個人など多くの者からの補助金や助成金、寄附などを受けているか、どれだけ多くの者から支援を受けているかによって公益性を判断する。
(注2)特定公益増進法人
公益法人のうち、特定の公益を増進するものとして認定された法人で、税制上の優遇を受けることができる。公益法人全体の3%程度しか認定されていないのが実状。
(注3)みなし寄附制度
公益法人が収益事業によって得た資金を非収益(公益)事業に支出した場合、一定割合を収益事業にかかる寄附金とみなして損金算入できる制度。

認定特定非営利活動法人に係る
税制上の特例措置の概要

1.

認定特定非営利活動法人とは

特定非営利活動促進法第2条第2項に規定する特定非営利活動法人のうち、その運営組織及び事業活動が適正であること並びに公益の増進に資することにつき一定の要件を満たすものとして、国税庁長官の認定を受けたものをいう。

2.

創設された税制上の優遇措置の内容

(1) 法人が寄附した場合(法人税)
法人が認定NPO法人に対し寄附した場合、一般の寄附金の損金算入限度額とは別に、特定公益増進法人に対する寄附金の額と合わせて損金算入限度額の範囲内で損金算入されます。

法人が寄附した場合 損金算入限度額
国又は地方公共団体 全額損金算入可
指定寄附金
一般寄附金 損金算入可(限度額有)
特定公益増進法人
認定NPO法人
一般寄附金と同額まで損金算入可
(一般寄附金とは別枠)


(2) 個人が寄附した場合(所得税、相続税)

(1)個人が行った認定NPO法人に対する寄附
個人が認定NPO法人に対し寄附した場合、その寄附に係る支出金は特定寄附金とみなして寄附金控除の適用が認められます。

個人が寄附した場合 控除限度額
国又は地方公共団体
指定寄附金
特定公益増進法人
政党等
認定NPO法人
]  特定寄附金
【所得の25%-1万円】まで所得控除可

(2)相続人等が行った認定NPO法人に対する相続財産等の寄附相続又は遺贈により財産を取得した者が、認定NPO法人に対し、取得した財産を贈与した場合には、その贈与をした財産の価格は相続又は遺贈に係る相続税の課税価格の計算の基礎に算入されません
個人が相続・遺贈財産を寄附した場合 相続税課税価格
国又は地方公共団体
特定の公益法人
認定NPO法人

不算入


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