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淡海ネットワークセンター(Ohmi Network Center for Voluntaly Organizations)
淡海ネットワークセンターは、地域や社会の課題解決に自主的に取り組むNPOや市民活動をサポートしています。

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学生がNPOに関わるきっかけって、どこにあるんだろう?
ひょっとして大人は若い存在を利用しているだけ?
感覚の違う大人と一緒にNPOに取り組むことって可能なんだろうか?
そんな疑問を赤裸々に語って頂きました。

インタビュー/川勝六四(淡海ネットワークセンター事務局)


■皆さんは何らかの形で市民活動に関わっておられますが、実際、学生で市民活動に関わるきっかけはあるんでしょうか?

●金城武志(カネシロタケシ)
プロフィール/滋賀県立大学環境科学部研究生(龍谷大学卒)  京都市在住
2年前の龍谷大学生時代に「町家にあるアート」と題して大津のナカマチの商 店街でアート展覧会をしたのがきっかけで、「大津の町家を考える会」(※1)に出会い参加。「大津の町家を考える会」が、 昨年の6月にナカマチ商店街の中に拠点として「まちづくり大津百町館」(※2)をオープンさせてから本格的に市民活動を始める。昨年「町家にあるアート」を自費出版。
<社会人になってからのNPOとの関わりは?>
「漠然としか考えていませんが、NPOという方向性も一つの選択肢として考えています。新開地の商店街でNPOを仕事としてやっておられる方の姿を見ると何かいきいきしておられるんですよね」

金城: そのきっかけがないと思うんですよ。僕がアート展覧会をやったとき、いろんな学生がたくさん集まったんですけど、彼らは別に町を活性化したいという思いはあまりなかったような 気がします。むしろアートをやりたい、町の中でいろんな人に見てもらいたいという自己実現のために参加したんだと思うんですけれども、そういうきっかけや仕組みづくりをやれば多くの若い人が集まるのではないでしょうか。

中倉: 若者が市民活動に興味がないなんてどの時代も変わらないと思います。大義名分なりきっかけがないと動きにくいし、一時的にメンバーをふくらますことはできても、自分たちがその活動に魅力というものを感じることができなければ乗ってこないですね。単にボランティアではありたくないっていうところが僕らの世代にはあるんじゃないかな。

大槻: 大人から見たら今時の若い子で、こっちから見たらおじさんおばさんで、お互いに冷めた目で見ている。だから大人がすごく頑張っている所には、気恥ずかしくて入っていけないというのが実情です。だから私のように一度入ると、20歳代の子に入って欲しいと、いろんな団体から声がかかるんです。一度入ってしまえば、きっかけは山ほどあるんですけどね。

●上岡真実(カミオカマミ)
プロフィール/立命館大学政策科学部2回生 京都市在住
淡海ネットワークセンターでインターンシップ中。大学のフォーラムがきっかけでNPOに興味を持ち、個人的に深めるため大学コンソーシアム京都(※3)のインターンシッププログラムを受講中。現在、実際のNPOと関わっていく勉強を積極的にしている。
<社会人になってからのNPOとの関わりは?>
「自分がやりたいことを追究していけるということではNPOに魅力を感じています。まだ、将来の具体的な就職については考えていませんが、私も何らかの形でNPOと関わっていきたいと思っています」
上岡:  身近に若い人向けのNPOの情報がないような気がします。自分から探そうという人は、それだけやる気のあるごく一部の人です。私もインターンをするきっかけになったのは募集のポスターですが、ボランティア募集と書いてあっても、文章がかたかったり、手元に届かないペーパーであったりと、若い人を取り込みたいと考えるのならば、もう少し工夫が必要だと思います。学生が地域とつながるきっかけを身近につくることが大切なのではないかと思います。

大槻: もともと、地域の子どもたちの遊びや昔のお祭りには、いろんな世代が入ってきています。それが重要だからとか、メリットがあるからといって参加しているのではなく、いつの間にか目にしたり、習慣で入っていくものですね。NPOも本来はそういうものだという気がします。

■学生と地域との結びつきはどうなんでしょうか?

●大槻英理(オオツキエリ)
プロフィール/立命館大学大学院理工学研究科 甲西町在住
大学時代に都市計画を学び、まちづくりという面で関わっていたこともあり、2年前に市民グループ「輝くひとまちネット滋賀」(※4)に参加する。
<社会人になってからのNPOとの関わりは?>
「普通に生活しながら常にNPOとかかわっていたいですね。仕事は仕事でどんどんやって、自分の住んでいる所を良くするためにも一役を担っていきたいなと思います」

上岡: 私はまだインターンで、直接NPOに関わっていないうえ、一人暮らしなので、具体的に地域との関係はわかりませんが、個人的には町内会や自治会に興味を持っています。子どもたちの学習の場として、また、そこからいろんなコミュニケーションが生まれるんじゃないかと思っています。ただ、実際、学生である私の回りには、出身地を離れ、下宿をしている人が多いため、それを学習するフィールドがないのも実情ですね。

中倉: NPOは地域に密着している社会人層が基盤だと思うんですよ。僕らのような若いNPOは、その上に浮いていていいんだと思います。例えば、商店街のイベントで、僕たちが企画提案を出していても、当日になると「店が忙しい」といって来ない人が多かったりします。僕は意見を求められているのではなく、ただここにいたら、会議の場がなごむだけの存在だったんですね。だから、大人には単に利用されているんだと思っています。

大槻: 同じ意見ですね。私は住宅政策に提言しようという団体にも所属しているんですけど、他の人と意見が全然違った時、「学生さんだからね」と私の意見が無視されることがあるんです。逆に、雑用が人よりたくさんまわってきたりもします。若い人はただ存在が必要なだけという気がするんですね。

■では、若い人と大人が一緒になって市民活動をしていくというのは難しいということですか?

●中倉伸顕(ナカクラノブアキ)
プロフィール/滋賀県立大学大学院環境科学研究科(ACTのOB)五個荘町在住
1998年に彦根の商店街で学生の自己実現のまちづくりをめざした団体「アクト」(※5)を立ち上げる。私自身は一昨年に「アクト」を引退。その後、彦根でもNPO間のネットワークをつくろうということで彦根コミュニティステーションという団体を立ち上げ、グループでは最年少で活動中。
<社会人になってからのNPOとの関わりは?>
「将来、まちづくりや都市計画などのデザインやコンサルティングの仕事に携わり、ひとつの市民活動と一緒に話し合いながら、町のデザインをしていって、運営・管理まで持っていけるプロセス開発をやっていきたいと思っています」

中倉: 商店街のイベントでいうと、僕らはアート関係の展示をしたかったんですが、商店街のおじさんたちが楽しんでくれるイベントづくりができるかということを考えると、生け花の展示になってしまったんです。そこに、感覚の違いが出てくるんです。少しでも僕たちの感覚を認めてくれて、大人が変わってくれることを願っていますが、その辺がやっぱり難しいでしょうね。

金城: 僕も今所属している市民団体では一人だけ学生で最年少です。アリバイ的にやられているのかなあという部分もあるんですけど、良い意味で危険分子になってやろうと思いながらしています。それに、今年の春から大津市の市民と行政のパートナーシップの仕組みを考えるという研究会が立ち上がり、メンバーとしては僕のほかにPTAの会長さんや福祉関係で活動されている方達と一緒に研究会をしているんです。だから、だんだん大人の人も変わっていく動きはあると思いますね。

大槻: でも、研究会に役所の方がいつも同席して、研究会主体の文章について「その言い回しは上の人に受けが悪い」とか言われたこともあるんですよ。またこれを絶対意見として捉える市民側も問題なんですけどね。何で市役所の受けを気にして市民団体がやっているんだろうとすごく不思議になります。こういうのを見ていると、先は長いという気がしますね。

上岡: 私も大人と学生の感覚の違いは埋められないと思いますが、反対に無理に一つにならなくても、それぞれ手法がちがうだけで、ゴールが同じならいいと思います。年齢にしろ、考え方にしろ様々に違う人たちを巻き込みながら同じ目的に向かって行くことが大事なような気がします。


―町家や商店街、その他にも滋賀県には、学生と地域の人たちの共通の素材がまだまだ残っているような気がします。単に学生を都合のいい存在だけに利用しないよう、私たち大人も大いに反省するとともに、一緒に地域を作っていけるように努力しなければならないと思います。今日はどうもありがとうございました。

※1「大津の町家を考える会」  大津の歴史や建築にかんする勉強会、市民を対象としたシンポジウム、町家を訪ねる町歩きなどを行い、町家について考え行動するために平成9年に発足された会。

※2「まちづくり大津百町館」  大津の丸屋町商店街の一角に、かっては書店だった建築100年の町家を借り、昨年の6月に「大津百町館」としてオープン。「大津の町家を考える会」の拠点であり、落語会や演劇など様々な催しをしている。

※3「大学コンソーシアム京都」  大学、地域社会及び産業界との協力による大学教育改善のための調査研究、情報発信交流、社会人教育に関する企画調整事業等を行っている教育機関。

※4「輝くひとまちネット滋賀」  滋賀県を舞台に地域で活動をしている個人やグループが、情報交換や助け合う場を求めて、平成7年に発足させたネットワークグループ。現在会員は120名 ※5「アクト」  衰退の激しい彦根の商店街の活性化のために、滋賀県立大学の学生が商店街の人たちと協力して、空き店舗を的教師ながら、学生のカラーを活かしたライブや写真展、講演会、シンポジウムなどのイベントなどを開催。商店街の再生に向けて1998年発足し活動するグループ。



淡海ネットワークセンター(財団法人 淡海文化振興財団)
〒520-0801 滋賀県大津市におの浜1-1-20(ピアザ淡海2F) 電話 : 077-524-8440 ファックス : 077-524-8442