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淡海ネットワークセンター(Ohmi Network Center for Voluntaly Organizations)
淡海ネットワークセンターは、地域や社会の課題解決に自主的に取り組むNPOや市民活動をサポートしています。

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NPOはこれまで行政や企業ができなかったサービスの提供を通じ、市民社会を創っていく役割を果たしています。
同時に、その先駆性・多元性から、社会を変えていく役割も担っています。
社会を変えるため、NPOに期待されているのが政策提言です。これまで行政だけのもと思われてきた政策ですが、これからはその大きな部分をNPOが担っていくようになると言われています。
特定非営利活動法人NPO政策研究所理事長 木原勝彬さんに、NPOと政策提言についてお話を伺いました。


PROFILE
木原勝彬(きはらかつあきら)さん

1945年奈良市生まれ。民間企業を経て、1984年、(社)奈良まちづくりセンターを設立、理事長に就任。1997年5月、NPO政策研究所設立、代表幹事・事務局長に就任。現理事長。
1997年「NPOは日本の社会を救えるか」で読売論壇新人賞佳作入賞。その他、まちづくり・NPOに関する論文多数。

特定非営利活動法人NPO政策研究所
地域・コミュニティレベルにおけるNPO活動と行政活動、及び企業活動それぞれの関係領域における政策研究と形成、各セクターを超えた政策研究コミュニティの形成を目指して1997年に設立。

これまでの活動について教えてください
木原 東京から奈良に帰ってきて、都市計画道路の建設により歴史ある伝統的な町並みが壊されようとしているのを見て、町並みを保存しなければと「奈良地域社会研究会」を立ち上げました。町並み保存というのは簡単なようで、何をしていいのかわからないので、地域のお年寄りから「ライフヒストリー調査」と称する聞き取りを行いました。かつての奈良町の賑わいを聞きながら、まちづくりのイメージコンセプトを膨らませたわけです。活動の目的は、都計道路が通るから町並みをどうするか、道路をどのようにするかということだったのですが、実際は、町の歴史から生活から何から何まで拾いあげ、道路や町並みの提案の中に反映させていきました。私たちの調査は、行政の調査とは違って、市民ならではの思い入れのあるものをと考えていました。活動を始めた当初から、これからのまちづくりは、自分たちで調査・研究して提案する力を持たないと、行政と対等に渡り合えないと思っていました。

その当時から「提案」ということを考えられていたのですか?
行政の受け止め方はどうでしたか?
木原 最初、市は戸惑いましたね。公共事業に対しての妨害、余計なことと捉えられている側面もありました。それに対して、反対ではなく、いかに質の高い道を造るかの提案だと主張しました。ただ行政側には、提案という前例がなく、受け止める術がない。だからそういう意味で嫌がられ、警戒されました。ですから、できあがった道路の最初の部分は大したことない。提案が全面的には受け入れられていないからです。もちろん、受け入れようとする人はいましたが・・・。

行政からはNPOがもてはやされていますが、NPOと行政との関係を見て、どういう点が問題だと思われますか。また、行政は当時と変わりましたか?

木原 NPOは今、あまり余裕がありません。でも、そんな状態でも常に先駆的・先見的な目を持たないといけないと思います。今後、行政とのパートナーシップという場面がどんどん増えてくる中で、何でもそうですが、相手をよく知らないといけない。パートナーシップは相手を相当知らないとできないと思います。行政の立場、仕組み、政策、行政職員の立場などを知ろうとする努力、理解しようとする努力と同時に、自分たちの弱みと強みを知るという謙虚な態度が大切だと思います。「己を知らずして」いい関係性はつくれません。行政システムそのものや行政職員の意識を十分に知ったうえで、そのシステムや意識をどう変えていくのか。正当な評価を得るためには、NPO側がきちんと調査なり提言なりをしていかないと理解が得られないと思います。

 活動を始めた当時と今の行政は変わっているかと言われると、ほとんどの公務員、行政そのものの根幹は変わっていないと思います。それは議会が変わっていないからとも言えますね。行政に関して言えば、こちらから働きかけをしているから変わってきている部分もありますが、議会が変われば行政だけでなく市民も変わるでしょう。


議会の話が出ましたが、議会はどう変わっていけばいいと思われますか?


「奈良町物語館」
まちを楽しくする情報発信基地として、
伝統的な町家を修復し活用。
木原 議会そのものが持つ本来の政策提案能力あるいは行政に対するチェック機能を果たしてくれれば、市民・NPOは楽になる。今は、政治とか行政でミスをしても、市民・NPO側でフォローしてくれそうだ、チェックしてくれそうだと安易に思われている面があるのではないでしょうか。我々にはそれだけ力があるわけではなく、行政システムそのものが自己変革力を持ってシステムや仕組みを変えていく力を早く備えてほしいと思います。議会も同様です。議員自身が本来の観察力やチェック力を持ってほしい。行政・議会・市民、この3つがうまく回れば社会的なロスがなくなります。皮肉なことに、NPOの存在が高まっていく時は社会が大混乱している時ではないかと、ある種の自己矛盾を感じますね。

NPOが政策提言力をつけていくにはどうしたらいいでしょうか
木原 NPOは生活者の視点に立っているので、地域や市民のシーズ・ニーズを押さえています。それは最大の武器です。それを積極的に社会へ提案し、政策へ結びつけていくことが大切です。NPO・まちづくり団体で大切なことが三つあります。一つは「思いは力なり」。思いはまちに対する愛着・使命です。二つ目は「知は力なり」。知は調査・研究能力、提案能力を言います。三つ目は「時は力なり」。すなわち、継続性です。時間をかけてやり続けていれば必ず芽が出て花が咲くと思います。これらを踏まえながらやっていけば成功すると思います。

インタビューを終えて

 現代の社会経済が抱える多くの矛盾を解決し、魅力ある21世紀の地域づくりをしていくためには、サービス提供型NPOの充実とあわせて、まさに地域の政策を自ら考えていく政策提言型NPOの果たす役割は大きいと思われます。滋賀県内にも政策提言型NPOをつくる動きもあり、NPOのこれから注目すべき活動形態と言えるでしょう。


淡海ネットワークセンター(財団法人 淡海文化振興財団)
〒520-0801 滋賀県大津市におの浜1-1-20(ピアザ淡海2F) 電話 : 077-524-8440 ファックス : 077-524-8442