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淡海ネットワークセンター(Ohmi Network Center for Voluntaly Organizations)
淡海ネットワークセンターは、地域や社会の課題解決に自主的に取り組むNPOや市民活動をサポートしています。

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なにかやってみたいという「想い」を「かたち」にするにはどうすればいいか。その「かたち」になったものを発展・継続させていくには。NPOのマネジメントはNPOにとって永遠の課題といえるかもしれません。3月3日に開催した「おうみ市民活動交流会」の基調報告では、多文化共生センター代表の田村太郎さんにNPOマネジメントの課題の解決策を整理していただきました。そのエッセンスをお届けします。

P R O F I L E
田村 太郎さん

特定非営利活動法人 多文化共生センター 代表

兵庫県生まれ。高校卒業後、海外を放浪。在日フィリピン人向けレンタルビデオ店勤務等を経て、1995年1月、阪神大震災で被災した外国人へ情報提供を行うボランティア団体「外国人地震情報センター」の設立に参加。同年10月、「多文化共生センター」への組織変更に伴い、事務局長に就任。1997年4月より代表。著書に『多民族社会ニッポンとボランティア活動』等。甲南女子大、天理大学非常勤講師。
多文化共生センター
「多文化共生センター」は多言語での生活相談や医療保健事業、子どもプロジェクトなど在日外国人を対象とした活動と、日本社会へ向けた異文化理解、多文化共生の理念を広める活動に取り組む。1996年に「国際交流基金地域振興賞特別賞」、1998年に「第10回毎日国際交流賞」をそれぞれ受賞。現在は関西3カ所と、広島、東京に拠点を置く。2000年7月、経済企画庁より特定非営利活動法人認証。
〒537-0025大阪市東成区中道1-10-19
電話06-6973-7506 FAX06-6973-7516http://www.jca.apc.org/cmia/

 

「やる気満々、立ち上げ期」編

活動内容はわかりやすく 1

 

 日本に寄付の文化がないというのは嘘です。活動が分かりやすければ、寄付は集まります。ボランティア精神が日本人にはなじまないということもあやしい。ボランティアも、目標がはっきりしたものには集まります。問題は、NPO側が努力していないだけです。震災後のわかりやすい時期と、その後の苦労から、私は身をもってそれを感じます。成果が分かりやすい活動は広く共感を得て、人もお金も集まるということだと思います。皆さんの活動が、もしお金が集まらない、若い人が来ない、そういう悩みに深刻に陥っていたら、成果や目標を見直すことをおすすめします。

 立ち上げ期の組織はたいてい少人数で、お互い顔が見える関係でやっていると思います。やる気満々ですから、立ち上げ期にあまり課題に直面する団体というのはないと思いますし、あっても、顔の見える関係ですから、なんとか解決できるのではないでしょうか。


 

誰もが行き詰まる?編

「想い」が「重い」にならないように 2

 

 しかし活動を立ち上げてしばらくすると、どこの団体でも悩みができます。想いを大切にしようと思ってやってきたのが、「想い」がだんだん「重い」になっていく。それは成果・品質が求められるとか、責任が発生することとのバランスの問題です。成果への責任感と自分のやりたいこととのバランスでみんな悩みはじめます。

 ボランティアとは、自発性に基づいて活動する人です。ボランティアが参加すれば、活動に時間がかかります。そのうち、いつ来るか当てにもならない人に仕事を任せられないとして、一部の人たちが何でもやってしまいがちになります。こうして団体は、一部のコアメンバーから外のボランティアの人たちに一方的な命令がいく組織や、意思決定は真ん中だけでやっていて、周りの人は時々来るような組織となってしまい、かつての勢いは失われて、活動は「踊り場」にさしかかります。

 なぜボランティアに仕事をコーディネートする時間がとれないのか。新しい人を巻き込むための時間がとれないのか。例えば皆さんの時間を奪っているのは、外との関係、他団体とのネットワークや会議ではないでしょうか。組織内のコミュニケーションに問題を感じたら、外に出る会議を減らすとか、ほかのメンバーに会議に行ってもらうことです。自分の団体の成果は、中からは見えにくいものです。代表者だけでなく、いろんな人が会議に出れば、外からの評価も広く共有できていくのではないかと思います。なぜこの仕事が必要なのかが見えれば、人は動きます。こうしたことで、一方通行の矢印が少しずつ変わっていき、一部のスタッフが物事を決めているのではないという空気を醸成するのが大事です。


 

「活動の再定義」編

ボランティアも顧客である 3

 

 このようなプロセスを経ると多くの団体は、自分たちの活動の目的、活動の手法を定義し直そうという議論が出てきます。そのためにはまず「顧客」を見直すということです。顧客として見ていくべき対象は、三つあると思います。

 一つは受益者です。誰に対してサービスしているのかということです。二つ目が経済的な支援者です。誰がお金を出しているのか。三つ目が人的リソース。これがボランティアです。「満足を求めている人」を顧客とすれば、ボランティアも顧客なのです。ボランティアも自分が参加することで満足を得たい人たちなのです。

 この三つのバランスがうまくとれたときに、再定義の期間を乗り越えて次にもう一回飛躍するという組織に移れるのではないかと思います。また組織のあり方として、閉じられた一部のスタッフがコアになるのではなく、それぞれ活動の中にコアの部分が発生して、そこと外とが双方向になって活動するということになり、飛躍できる組織になっていけると思います。


 

「それでもNPO!」編

NPOだからできること 4

 それぞれのニーズに特化し、絞り込んで活動するということがNPOの最大のメリットだと思います。自分たちに必要なサービスをどんどん提供していくことで、地域全体としては多様性を生み出すことが、NPOにはできるということです。

 もう一つ、NPOはどんどん雇用を生み出すべきだと思います。フルタイムかボランティアか、の2者択一ではなくこれにプラスでいわゆる「生きがい仕事」と呼ばれるワークシェア型の人たちがいる。そういう三段階にすると、NPOの雇用はもっと柔軟に考えていけるのではないかと思います。雇用を広げ、長期的な視点からNPOの人材の層を厚くしていくことが大事です。こういう柔軟なやり方も、私たちが自分たちで組織を作って、自分たちで決めていけばいいことです。NPOは雇用を増やし、人の層を厚くし、またより多くのサービスをどん欲に提供していく。これから数年間はそういうふうになっていかなければいかないのではないかと思います。

 最後に、良くも悪くもNPOは実力勝負です。というか、実力でしか勝負できない。過去の経歴とか経験では食っていけないです。なぜなら常に受益者から成果を求められるわけです。昔の名声や学歴ではなくて、今あなたに何ができるのかということが常に求められることだと思います。それがまたチャンスでもあると思います。



淡海ネットワークセンター(財団法人 淡海文化振興財団)
〒520-0801 滋賀県大津市におの浜1-1-20(ピアザ淡海2F) 電話 : 077-524-8440 ファックス : 077-524-8442