シリーズ 〜NPOへの素朴な疑問〜

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最近、市民団体、市民活動団体という言葉をあまり聞かなくなった。それだけNPOという言葉が一般的に使われるようになったからだと言える。特定非営利活動促進法ができる前は、NPOというよりも市民活動団体、市民団体、市民公益団体などと呼ぶことが当たり前で、市民活動に関わる人には市民活動団体は、それだけ馴染みの深い言葉だったはずだ。 何も今流行のNPOという言葉を使うのを悪いと言っているわけではない。NPOが普及することにより、市民活動への理解が進んできたと思われる反面、この言葉を使うことによって、NPOが持つ「市民性」が忘れられてきてはいないかということが気になるのである。特定非営利活動という言葉には、市民性ということは微塵も感じられないし、官製NPO、企業NPO、業界NPOなど、市民性のないNPO法人が数多くできているのも、法律の名称によるところの影響が少なからずあると考えられる。 NPOという言葉が流行した背景には、市民活動に対する行政の見方も大きく影響しているような気がする。行政、特にNPO法人の所轄庁である都道府県にとっては、行政サービスの対象としての住民を「府民」「県民」などのような言葉で表してきた。また、市民という言葉に対するある種の嫌悪感もあってか、都道府県行政において市民という言葉はほとんど使われてこなかった。そうした中で、市民活動団体に代わるNPO、市民活動に代わるNPO活動という表現が都道府県行政を中心に積極的に使われた影響はかなり大きいと言える。 NPOは本来、市民活動団体よりも広範な組織を指すので、市民活動に関わる人は、自分たちの活動を市民活動、自分たちの組織を市民活動団体と叫び続けていかないと、NPOが市民活動団体のことを指しているのだと思わない風潮がますます大きくなる恐れがある。NPOだと威張るのではなく、市民性すなわち、市民が主体的に関わっている、市民のための、そして市民に開かれているという活動であり、団体なのだということを社会に訴えていくことが市民活動に関わる人に求められているのである。 阿部圭宏(NPO市民熱人代表) |
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