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●県内NPO法人の概況
滋賀県県民文化課NPO活動促進室の資料によると、県内のNPO法人認証数は1999年度の12法人から年を追うごとに増え、2003年9月18日現在139法人が認証を受けています(滋賀県認証分)。法人の活動分野では「まちづくりの推進を図る活動」が最も多く、ついで「保健、医療又は福祉の増進を図る活動」「社会教育の推進を図る活動」となっています。所在地で見てみると大津市、草津市、彦根市の順に多く、市部(8市)で69%を占めています。
●アンケート調査より
今回の特集にあたり、淡海ネットワークセンターでは県内のNPO法人にアンケートをお願いしました。その結果をここでご紹介したいと思います。
◎アンケート対象:2003年8月末現在、滋賀県より認証を受けた126法人に対し、滋賀県NPO活動促進室のホームページに掲載されている各法人の事務所あてにアンケート用紙を郵送したところ、9月30日のしめきりまでに44法人から回答が寄せられました(回収率34.9%)。
◎アンケートの内容:質問項目は大きく分けて6つ(1・活動について 2・組織について 3・財政状況について 4・特定非営利活動法人の取得について 5・行政との関係について 6・淡海ネットワークセンターについて)で、それぞれについて、小項目を設け回答いただきました。
●調査結果の概要
◎活動分野
特定非営利活動十七分野のうち、定款で定めている事業についてたずねたところ、ほとんどの法人が複数の事業を定款で定めていた。そのうち、特に主となる分野についてたずねたところ、「保健医療又は福祉の増進を図る活動」が最も多く、次いで「文化、芸術又はスポーツの振興を図る活動」「環境の保全を図る活動」を主とする法人が多かった。
◎事務所の保有状況
「専用の事務所(室)を借りている」が20法人で最も多く、特に「保健医療または福祉の増進を図る活動」を主とする法人では回答24法人中15法人が専用の事務所を有していた。次いで「メンバーや会員の個人宅や勤務先等に事務局(連絡先)をおいている」が十五法人。このほか「公民館、社協、ボランティアセンター等の公共施設内に事務局(連絡先)をおいている」「専用の事務所(室)を保有している」「その他(他の団体事務所に間借り」という回答であった。
◎法人の事務局スタッフ(注1)
常勤有給職員がいる法人は17法人で63人、常勤無給職員がいるのは10法人で32人、非常勤有給職員を有する法人は19法人で165人、非常勤無給職員を有する法人は28法人で169人であった(法人数は延べ数)。なお、「保健医療または福祉の増進を図る活動」を主とする法人では、有給スタッフの比率が75%であったのに対し、それ以外の法人では8%と格差が大きい。
◎2003年度における財政規模(支出)※図1
50万円未満…7法人 50〜100万円未満…3法人 100〜500万円未満…14法人 500〜1000万円未満…2法人 1000〜3000万円未満…13法人 5000万円〜…4法人であった。
なお、1000万円以上の財政規模を有する法人はすべて「保健医療または福祉の増進を図る活動」を主とする法人であった。
【図1:財政状況】

◎二〇〇三年度の収入内訳 ※図2
収入内訳のうち高い割合を占めるのは順に
一・事業収入 二・会費 ほか業務委託費、補助金、助成金などであった。
【図2:収入内訳(2003年度)】

◎法人格取得前に任意団体として活動していたか
「活動していた」が30法人、「活動していない」が14法人であった。
注1:常勤スタッフ=日常的に事務局業務に関わる人(週30時間程度以上を目安) 非常勤スタッフ=左記以外の人
◎法人格取得理由※表3
回答は別表のとおりで、法人格取得により対外的な信用度が高まり、責任ある体制になるとした回答が多かった。また、行政の信頼を得やすくなると回答したところも多かった。
【表3:NPO法人格の取得理由】

◎NPO法人になってよかった点
法人格取得理由同様、対外的な信用度が高まったと回答したところが多かった。
◎法人になる前に予想しなかった点、法人格取得後悪かった点(困った点)
共通した意見として、税制面での優遇がない点と事務処理量の増加という回答が多かった。また、行政の信頼を得られると期待したが、期待したほどではなかったという回答も見られた。
【回答例】
・仕事量が増えた
・事業の展開に資金がついて行かない
・NPO法人がまだまだ世間に理解されていない
・税金・税制(優遇措置がない、社会福祉法人と同じ
事業をしても課税など)
・NPO法人の増加に伴い、不正を行うNPO法人が
出てきて社会に不信
・資金の借入
・会計ほか事務の負担
・助成金が取りやすいと思ったが実際はそうでなかった
・事務手続き
・行政職員にNPO法人に対する理解・認識の差が
ありすぎる
◎行政との関係
行政の施策についてたずねたところその結果は次のとおり。
・現在の施策は不十分…十五
・現在の施策はよくわからない…十五
・充分ではないが満足いくレベル…七
・充分である…一
◎行政からどんな支援が必要か
「活動に対する資金援助」が最も多く、次いで「行政において活動への理解と協力を促すための広報・普及活動」「活動や情報交換の拠点となる場所の確保・整備」という回答が多かった。
◎行政に求めること(自由記述)についての意見を集約すると、 「活動の現場を見て、活動を理解して欲しい」とか、また行政の考える『協働』とNPO側の認識に差があるのか、『協働』について疑問の声が多かった 【回答例】
・協働とはどういうことか互いに話し合うことが必要
・NPO活動促進室だけでなく、各部局ともNPOに関心を持ち施策を打ち出し『協働』して欲しい
・NPOの自立・自己責任を側面的にささえるとともに必要なときには必要な援助をお願いしたい
・市民の活動(動き)を見ることが大事
・種々の活動情報や行政制度のわかる情報提供をしていただきたい
・『協働』というが現実には「タダで使える便利な団体」程度の認識しかないのではないかと思わざるを得ない施策
・一人でも多くの行政関係者がNPOの使命、現場を知ったうえで『協働』を行うよう希望する
・法制化されていないような先進的な活動に対しての資金援助が必要
・行政も生活の視点を持つこと大切
・NPO活動を出向職員として短期間経験していただき、NPO活動の必要性を知っていただきたい
・NPOと市民との協働がこれからのまちづくり・人づくりに最も意味のある時代になっていることを認識していただきたい
◎淡海ネットワークセンターについて ※図4
「淡海ネットワークセンターについて知っていますか」という設問に対し、「よく知っている」18法人 「知っているが詳しくは知らない」「名前は聞いたことがある」21法人という結果であった。
センターの利用については、「よく利用している」「利用したことがある」26法人「利用したことはない」14法人で、「利用しない」法人に対し理由をたずねたところ、「地理的に不便」9法人「何をしているか情報が届かない(よく知らない)」6法人で、その他の意見として「駐車場代が高い」というものがあった。
【図4:淡海ネットワークセンターについて】

◆◆◆まとめにかえて◆◆◆
今回のアンケートは残念ながら回答数も少なく、この結果で県内のNPO法人の実態をすべて表すものではありません。しかし、一面を見ていただけたと思います。
NPO法はそれまで任意団体として活動してきた市民活動団体に対し法人格取得への道を拓いたある意味画期的な法律です。その効果は近年のNPO法人の大幅な増加、また「NPO」ということばを広く世間に知らせることにもなりました。反面、「NPO法人でないとNPOでない」という誤解が生まれたことや、当初議論されていた「市民活動促進法」が「特定非営利活動促進法」という名称に変わったため、「市民参加」「市民性」という面よりも「非営利性」が強調され、当初の議論から少し離れてきているようにも思います。「悪貨は良貨を駆逐する」にならないよう、市民一人ひとりが見る眼を養って「NPO法」をよりよいものにしていくことが大切です。
(事務局:川勝六四) |