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NPOという言葉には、何かしら地方とか、地域ということがあまり感じられない。NPOに対して都会的なイメージを持っている人も多い。確かに、NPO法人数だけを見ると、人口の集中している都市部に集中しているし、NPOが都市的な課題を解決する場合が多いのも確かである。しかし、都市や農村に関わらず、社会的な課題としてとらえられているものも多い。
滋賀の状況を見てみると、従来、NPOに対する認識が必ずしも高いとは言えないと思われていた地域でも、最近ではNPOへの関心が高まっている。中でも介護保険の導入を機に、地域福祉に対する市民の意識が変わり、そういう地域で起業し、自らをサービス提供側に身を置くケースが出てきたのである。実際にNPOを立ち上げることはもちろん評価すべきことだが、それ以上にNPO的な価値観が浸透してきたことのほうが大きな成果と言えるだろう。
今、地方分権の議論の中心は、市町村合併である。規模の論理だけが一人歩きし、小さなものの良さを見いだそうとしていない。こうした中、合併に直面している小さな自治体で、地域づくりを担うNPOが立ち上がっている。それはおよそ、都市部でつくられてきたNPOとは違う形態のものである。地域をベースにしながら、地縁と地域課題を融合させていこうとする試みである。こうした取組みはまだ始まったばかりであり、今後の成り行きを見届ける必要がある。
都会型でないNPOの動きは、コミュニティ再編への新たな可能性を示すものと言える。これからも地域で多様なNPOが生まれていくだろう。人任せにしない、自分たちで自分たちの地域をささえる、自分たちが主役の取組みが、まさに「自治」である。こうした自治の担い手が育つにつれ、全国一律に行われようとしている合併へのある種の対案となり得る。それが、都市化、巨大化を進める都市におけるコミュニティへも問題提起となることを期待したい。
阿部圭宏(NPO市民熱人代表) |