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淡海ネットワークセンター(Ohmi Network Center for Voluntaly Organizations)
淡海ネットワークセンターは、地域や社会の課題解決に自主的に取り組むNPOや市民活動をサポートしています。

・・・巻頭コラム・・・

第1回 背負うた児に教えられ

 このところ、子どもの虐待報道が大きく取り上げられている。TVでは公共広告機構が、幼い子を抱きしめることの大切さをアピールしている。児童虐待問題に取り組んでおられる方に、虐待は増加傾向にあるとの答えを予想して聞いてみたが、答えは違っていた。昔の社会は体罰に対して寛容であって、虐待ととらえることが少なく、誰も件数を把握できないでいる。取り組みへの理解が広がるとともに通報件数は増えているが、虐待が増えているとは言えないという。
 私自身、岸和田の事件で唖然としたが、児童虐待の事件を丹念に拾った資料を読むと、過去に悲惨な事件がいくつも報道されていた。当事者も周囲も感じないまま、隠れている虐待事象は多いだろう。事例を追うと、子どもを叱る激しさが増してくると言葉は荒くなり、手を挙げる様になる。一度手を挙げると、次は歯止めがなくなったり、言うことを聞かないということで片方の親がもう一方の親や周囲が責めたり、あおったりすると、虐待はさらにエスカレートしていく。
 児童の虐待死を防ぐためには、行政や警察等の介入を強めるべきだという意見がある。だが、子どもと親を分離することでは解決しないし、医療機関などから発見通報されるのは表面化した一部である。親権の制限や剥奪をすることで、子どもの心への影響も考慮しなければならない。だから、ケースごとに関係者が連携しながら、長い時間を掛けて問題を解きほぐしていくのである。
 また、児童虐待を「最近の若い親は、豊かになりすぎて…」「自由とか権利を言い過ぎて…」などの一種の社会批判につなげた考えもある。しかし、丹念に拾えば、家族間の暴力や虐待が傷害や殺人につながった事件は、あらゆる世代間で起こっている。さまざまな年代で、家族が憎しみを募らせたり悩んだりして、加害者と被害者になっていくのである。そこには、力の強い者が弱い者を抑圧していく関係があって、子どもの虐待死事件と同じ根っこを抱えていることに気づかないと、自分にも起こることとはとらえにくい。それだけ深刻なことだと理解して、誰もが向き合っていかなければならない今の社会課題なのである。

(事務局スタッフ 木村光一)


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