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淡海ネットワークセンター(Ohmi Network Center for Voluntaly Organizations)
淡海ネットワークセンターは、地域や社会の課題解決に自主的に取り組むNPOや市民活動をサポートしています。


■NPO講座■

市民企画公募型補助金・助成金を考える

 NPOに関するアンケートなどで必要な支援策について聞くと、多くの場合筆頭に「資金援助」が上がってきます。新しい公共の担い手としてNPOへの期待が高まるにつれ、滋賀県内においても市民活動を対象とした補助金・助成金の制度を作る自治体等が増えつつあります。今回の特集ではその中でも、特に分野を限定せず広くNPOから企画提案を募る補助(助成)金について考えてみたいと思います

NPO向けの補助(助成)金制度が増えてきた背景

 阪神淡路大震災(1995年)によるボランティア意識の高まりや、非営利の市民活動団体が法人格を取得することを可能にしたNPO法(1998年)の施行をきっかけにして、市民活動に対する認識が急速に広まりました。また、約六割の人が社会の一員として何か社会のために役に立ちたいと考えている(注1)など、地域の課題を他人や行政任せにせず、解決に向けて自らが積極的に関わりたいと願う人が増えてきています。
 私的利益を追求する企業の活動は、私たちに経済的・物質的な豊かさとともに、周期的な不況やそれに伴う大量の失業、所得格差の拡大、環境汚染等の問題をもたらしました。また、人々の暮らし方や世帯構成が多様化する中で、家庭においては母親の孤立や子どもの非行、いじめや不登校、引きこもり、老老介護やひとり暮らし老人の増加による孤独死など、これまで個人の問題、家庭の問題として扱われていた問題が社会問題として認識されるようになっています。これらの社会課題に取り組むNPOを社会的に支援しようとする動きが出てきたのは、自然なことといえます。
(注1)「社会意識に関する世論調査」(2004年1月 内閣府大臣官房政府広報室)によると、59.1%の人が、「日頃社会の一員として何か社会のために役に立ちたいと思っている」と回答しています。


市民企画公募型補助(助成)金の特徴
 NPOに対する支援の中で、もっとも直接的なものが、資金の提供です。ただ、従来型の補助金に対して、「古すぎて補助を始めた経過が分からない」「補助の内容が時代にそぐわないのに既得権化してやめられない」「目的が不明瞭」「申請のチェックが甘い」「実績報告に対する検証がなく効果が分からない」「団体の自立(律)性を損ねている」「毎年同じ補助内容で新しいニーズに対応できていない」といった反省もあり、NPOに対する補助金は、「期間限定」「公募」「選考過程の公開」「短期的事業重視」「新規事業重視」といった傾向があります。草津市コミュニティ事業団が行っている「ひとまちキラリまちづくり活動助成」は、助成期間は最長で2年ですし、大津市のまちづくりパワーアップ事業は、新規事業であれば同一団体でも再度採択可能ですが、支援事業自体が事業開始から三年間、2006年度をもって見直されることになっています。
 また、NPOが行政の価値観だけで判断されるのではなく、補助を受けることでどれだけ社会に貢献できるのか、成果を社会全体にアピールし、社会から評価されることが重要と考えられます。そこで、選考の方法として公開プレゼンテーション(注2)が行われたり、審査員に民間人や有識者が加わったり、過程や結果がホームページなどで公開されたり、事業完了後の報告会が公開で開催されるなど透明性・公開性に気が配られています。
(注2)【公開プレゼンテーション】
 補助や助成を受けたい事業の意図や計画について、審査員に対し口頭あるいは機器を使いながら説明する様子を、広く一般に公開する方法のことです。発表のあと審査員との質疑の時間が設けられていることが一般的です。

市民企画公募型補助(助成)金の問題点

 提供できる資金の額には制限があるわけで、提供者側は、多くのNPOにチャンスを与えたいと考えます。また、NPOが特定の補助(助成)金に依存するようになってしまうと、市民ニーズから離れた事業になってしまったり、その資金が途絶えると活動が停止するという問題もあります。そのため、提供者側は、NPOが以前から長く行ってきた事業や組織の運営にかかる経費よりも、短期間の新しい事業に補助(助成)をする傾向があります。だからといって補助(助成)金を獲得するために目新しい事業に安易に飛びつくと、それに振り回され、従来の事業も十分できないまま組織が疲弊してしまうということになりかねません。申請する場合は補助(助成)金のしくみが自分たちの団体にあったものかをどうか考えた方がよいでしょう。

県内の事例
滋賀県内の市民企画公募型の補助(助成)金には、次のようなものがあります。

(1)ひとまちキラリまちづくり活動助成(2001年度〜)

 草津市では第四次総合計画で「市民と行政の協働によるパートナーシップによるまちづくり」を掲げて、このまちづくりの基本的な考えや具体的な提案を研究するため発足した「草津市パートナーシップまちづくり研究会(学識経験者、市民、行政職員で構成)」が2001年3月に提言書をまとめました。この中で「市民によるまちづくり事業を支援するプログラムの整備が必要」との提言がされたことを受けて具体的に整備されたのが「ひとまちキラリまちづくり活動助成」です。
 この助成金は、市民活動団体の立ち上げ期を支援するもので、毎年一団体一0万円以内×三団体に対して助成を行っています。草津市から原資の補助を受け、草津市コミュニティ事業団が運営しています。比較的少額の助成金で申請用紙も市民活動団体が簡単に作成できるように工夫されていますが、公開ヒアリングによって選考されます。単なる資金面の支援にとどまらないきめ細やかなサポートが行われることが特徴で、助成を通じて団体のネットワークが進み、活動が広がっていくことに期待されいます。個人でも申請することができます。

(2)大津市まちづくりパワーアップ事業(2004〜2006年度)

 大津市は大津市まちづくり行動計画「大津維新」における重点施策である「協働のまちづくり」を推進するため、市民団体等による主体的なまちづくり活動を支援しようと、2004年に市民活動団体を対象とした公募型補助金の制度を始めました。
 この事業は政策調整部企画調整課が担当する「活動支援事業」と都市計画部まちづくり政策課が担当する「夢実現事業」の二つの事業からなります。「活動支援事業」は、市民団体が地域で新しく取り組む公益性、広域性のあるまちづくり活動を支援するもので、補助額は一事業100万円まで。「夢実現事業」は、まちの活性化の起爆剤となるようないままでにない新しい企画の実現に対して支援するもので、補助額は一事業で300万円まで。特に夢実現事業では、みんなが夢を持てるようなインパクトのある事業が求められています。
 事業の硬直化を廃するため、当初から三年間の期限付きで始められました。

(3)りっとうガンバル基金
(栗東市市民社会貢献活動促進基金補助金/2004〜2006年度)

 2003年2月に「市民活動にかかるアンケート」を行った中で、活動を行うための資金面での援助が要望として多かったことを受けて創設されました。
 この基金は、団体の成長過程にあわせて、団体の立ち上げ期の基盤整備を目的とした「団体立ち上げ支援」、団体が自立をするために必要な財源確保や事業開発を支援する「自立促進事業支援」、地域の課題解決などに市と協働、連携して取り組むような事業を支援する「協働事業支援」の3つのメニューを持っていて、大津市まちづくりパワーアップ事業がインパクトを求めていたのに比べて、こちらは団体が力をつけるよう組織支援に重点が置かれています。
 このように企画公募型といっても、補助(助成)制度ごとにつくられた背景や助成の対象、NPOに期待することは異なっています。補助(助成)金獲得のためには、これらをよく理解して、効果的な申請書づくり、プレゼンテーションをすることが大切です。(笹山)

滋賀県内の主な市民企画公募型補助(助成)金


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