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淡海ネットワークセンター(Ohmi Network Center for Voluntaly Organizations)
淡海ネットワークセンターは、地域や社会の課題解決に自主的に取り組むNPOや市民活動をサポートしています。

・・・巻頭コラム・・・

アンケートから考える

第10回 「稼ぐが勝ち」だと、本気で思っているのかぁ

この頃、CSR(企業の社会的責任)という言葉をよく聞くが、いつも頭に浮かぶ話がある。昔、滋賀が「おうみの国」と呼ばれていた頃、湖東あたりに住む商人が私財を投じて、瀬田川なのであろうか、住んでいる処から遠く離れた川に橋を架けたという。そこである人が「近くの川に橋を架ければお客ももっと来るだろうに、なぜ遠くの川に……」と言ったところ、「遠くでも、苦労して渡る多くの人のためにすれば、より人の役に立つ」とか「近在の者が商いで渡るときには、苦労しない」と諭したとか。始末して気張った余沢を「陰徳善事」の心で、地域社会や人々に還元していた近江商人の寄付、寄贈、お助け普請などの話は、数多い。「世間よし」と呼ばれる社会事業を、多くの近江商人が真似て行っていたことの証である。
 こういった話からも、必要とされる「仕事」があるから働くのであり、「稼ぎ」と「仕事」が違うことを先人は理解していたと感じる。
 現代も、企業は自らの信望と人材、技術をかけて事業を行っているが、地域社会で雇用した従業員の労働時間や能力は、元々、地域社会が必要とした仕事や役割のためのものを含んでいた。例えば、毎朝に自分の家の前の道を掃くこと一つを挙げても、今日往き交う人の事を思い、街の美しさ、居住まいの美しさにつながっていた。このことの内側には、他人を気遣うことの心があったのだと思う。企業も市民として、消費者や住民に、あるいは地域の文化に余沢に見合う分を返していく役割があるし、市民は自らの社会に果たす「仕事」を担っている。
 私たちが社会のためにどんな「仕事」を担っているか、いま、次の世代が見ている。お天道様も見ている。
 
(事務局スタッフ 木村光一)

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