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淡海ネットワークセンター(Ohmi Network Center for Voluntaly Organizations)
淡海ネットワークセンターは、地域や社会の課題解決に自主的に取り組むNPOや市民活動をサポートしています。


■NPO講座■ 

市民活動これまでの10年これからの10年

〜淡海ネットワークセンターの歩みとともに〜


  淡海ネットワークセンター(以下、「ONC」と表記)は、今年で設立9年目となり、この「おうみネット」は今回の発行で50号を迎えました。この間NPO法(注1)制定などを経て、新しい公共の担い手としてNPOへの期待が高まるなど、市民活動を取り巻く環境は大きく変化しています。
 今回の特集は、新旧ONC運営会議委員の皆さんにお集まりいただいて、これまでの社会の動きをふまえて、滋賀の市民活動の今後と、市民活動に対するサポートのあり方について熱く語っていただきました。

淡海という地域の固有性をベースに全国、全世界に発信を。

大川:近ごろ、市民活動やNPOについて取り上げられる機会が本当に多くなりましたね。行政とNPOの協働もそうですが、企業でも社会貢献やNPOとの協働に取り組むところが増えてきています。一九九九年のNPO法成立以降、市民活動が注目されるようになったと言われますが、ONCが設立されたのは、NPO法が成立する前の一九九七年四月です。その当時はどのような議論がされていたのでしょうか。

なぜ「淡海ネットワークセンター」なのかというと、淡海という地域の固有性をベースにして、淡海から全国、全世界に発信できる文化をつくり出そうという想いがこもっているんです。

北村裕明さん
第1期運営会議座長として淡海ネットワークセンター設立時の議論に参加。現在は「おうみ未来塾」運営委員長として淡海ネットワークセンターの人材育成事業に関わっている。滋賀大学副学長。

北村:もう8年前になりますが、ONCの設立は、二つの大きな流れに乗ったものでしたね。一つは地域社会というものをマネージしていくためには行政や旧来の地域共同体だけではなく、ボランティア活動や市民活動といった市民の新しい動きをしっかり育てて、これらと協働していかなければならないということが全国的に認識されるようになってきたこと。そしてもう一つは、当時の稲葉稔知事が1989年以降「新しい淡海文化の創造」というスローガンを地域政策に掲げて、地域政策をハード事業からソフト事業に転換しようとした時期であって、淡海文化という滋賀の固有性を大事にしよう、そして地域文化の担い手をしっかり育てていこうと政策的に動いたということがあります。他の地域ではNPOセンターとか、市民活動サポートセンターといった名称のところが多いのですが、滋賀ではなぜ「淡海ネットワークセンター」なのかというと、淡海という地域の固有性をベースにして、淡海から全国、全世界に発信できる文化をつくり出そうという想いがこもっているんですよ。
大平:ONC設立の前にね、活動団体同士が地域で交流会を開いていました。その中で滋賀県にはいろんな団体があるなということが分かってきて、1995年に滋賀県の市町村振興課(現自治振興課)が事務局になって「滋賀まちづくり団体協議会」が発足したんです。これは全国地域づくり団体協議会の滋賀県組織になる訳で、国からの要請もあってつくられたものですが、1997年のONC設立にあわせて解散しました。ONCは分野を問わず市民の公益的な活動を広く支援するということをうたっていましたので、サポートの対象として、地域づくり、まちづくり団体が当然含まれていましたし、行政機関に事務局がある協議会よりも、第三セクターの方がより柔軟な支援ができると考えられたからです。滋賀県独自の組織で市民活動団体のネットワークができたらすごい力になる。これが「新しい淡海文化の創造」の流れだったと思います。

小さな活動の芽を割と公民館が拾っているので、ONCと公民館とが繋がれれば、関心を持っていない人たちにももっと市民活動が広がるんじゃないかと思います。

大平正道さん
第1期運営会議委員。信楽公民館館長。地域文化の創造をめざす「風と土の会」や「しがらき狸学会」に所属。現在は湖南市、甲賀市の市民活動ネットワーク化に向けて奮闘中。
北村:さらに遡ると、1970年代半ば以降、武村正義知事の時代に草の根の運動を育ててきたという地盤がすでに滋賀にはありました。1985年の風景条例(注2)をはじめとして、市民活動をすすめる制度づくり、仕掛けづくりの実績がありましたよね。
大平:せっけん条例(注3)や「抱きしめてBIWAKO(注4)」の実施という基盤があってこそ、ONCが設立されたのだと思います。
(注1)NPO法……1999年12月に施行された特定非営利活動促進法のこと。公益的な活動をする市民活動団体が法人格を取得することを可能にした法律であり、以降滋賀県には230あまりのNPO法人が誕生している。
(注2)風景条例……ふるさと滋賀の風景を守り育てる条例。建物の色や形態、緑化などの取り決めを結んでまちづくりに取り組む自治会に資金支援するしくみを定めた。
(注3)せっけん条例……琵琶湖富栄養化防止条例の俗称。リン入り洗剤を全面的に規制する条例で、合成洗剤を拒否する県民運動の高まりがつくらせた条例として、滋賀における住民運動の金字塔である。
(注4)抱きしめてBIWAKO……重度心身障害児施設びわこ学園の移転費用を捻出するために1987年に行われたイベント。琵琶湖の周りに21万人あまりの人が集まり、手をつないだ。
淡海ネットワークセンターブランチ構想 湖北に支所ができる?!
北村:淡海ネットワークセンターの機能として、設立当時五つのポイントを考えていました。一つめは優先順位を明確にした事業展開をするということ。二つめは市民活動団体の裾野を広げると同時に社会的地位を高めていくための活動をしていくこと。三つめは人づくりのネットワークを広げていくこと。四つめは活動資金の助成を行うこと。それから五つめが、市民活動団体とビジネスとの関係をうまくコーディネートすること。これらをしっかりやっていきたいと考えていたわけです。もちろん初年度からすべて取り組んでいたわけではありませんが。

ONCは任務が達成できたらやめるという視点を持っておくべき。この目的のために存在するのだ、という10年計画をたてるべきだと思います。

西尾久美子さん
第2期運営会議委員。AS-net(消費生活アドバイザー滋賀ネットワーク)代表、NPO法人エコ村ネットワーキング副理事長、滋賀会館シネマホールファンクラブ事務局として精力的に活動している。神戸大学大学院経営学研究科で組織論を研究。
西尾:私は、第二期の委員なので、第一期運営会議の示した方向性をふまえて、それをどう発展させていくかということを話し合っていました。ちょうど委員をしていたときにNPO法が成立して、市民活動というものが取り上げられるようになったんです。ただ、注目されている団体でも、直接話を伺うとまだまだ事業展開の力も組織運営の力も弱かった。ONCのすべきことは、こういった団体を支援することではないかと考えていました。そして、設立3年目には、ONCがピアザ淡海に移転し、おうみ未来塾(注5)や、屋台村(注6)が始まるなど事業が広がりました。
大平:そういえばこのころ、ONCの支所を米原町(現米原市)の文化産業交流会館の中につくろうという「ONCブランチ構想」というのがありましたね。せっかく集まる場所ができて、資料や印刷機を置いてもらっても、米原や長浜の人が大津まで来るには時間がかかる。使えないじゃないか、という話から、湖北にもONCのブランチ(支所)をつくって欲しいと要望されたんです。
北村:これは中間支援組織のあり方に関わる問題でしたね。結局、県域の支援センターを行政がつくるのは一か所で充分で、地域に支援センターが必要なら、県の関連機関のブランチをつくるのではなくて、その地域が地域の特性に応じて自らつくるべきだろう。地域の支援センターを県でつくってしまうのは良くないという結論になって、その話はなくなったんですよ。
森川:でも地域や市町村域で支援センターをつくるという感覚は、当時はほとんどなかったと思いますよ。地域の支援センターが増えてきたのはつい最近のことです。
北村:現在は12か所ぐらいはあるのでしょうか。草津はかなり早い時期に中間支援組織を作っていますよね。しかも市民営というかたちで。
仲野:草津市コミュニティ支援センターは、草津市に建物が寄贈されて、予算がないので管理運営を市民に任せたということなんですが、初期のメンバーがかなり頑張りました。その中にはONCの「おうみ未来塾」で勉強している人も多くいましたし、地域通貨「おうみ」の発行は全国的にも注目されましたね。
藤原:昨年から県内支援センターの連絡会議を開いているんですよ。二か月に1度、支援センターの事務局スタッフが集まっています。開催は各センターが持ち回りで、毎回テーマを決めて意見交換をする。勉強になりますね。最近は開催するたびに参加団体が増えています。

昨年から県内支援センターの連絡会議を開いているんです。開催は各センターが持ち回りで、毎回テーマを決めて意見交換をする。勉強になりますね。

藤原久代さん
第5期運営会議委員。人口6000人のマキノ町(現在は合併して高島市)にできた民間の市民活動支援センターである「マキノまちづくりネットワークセンター」事務局。
(注5)おうみ未来塾……ONCが主催する人材養成塾。「地域プロデューサー」を目指して学ぶ。これまでに約120人が卒塾した。
(注6)屋台村……おうみ市民活動屋台村。市民団体の活動紹介の場として毎年1回開催している。2005年度は「おうみ市民活動フォーラム2005」の名称で11月19日・20日に開催する。

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淡海ネットワークセンター(財団法人 淡海文化振興財団)
〒520-0801 滋賀県大津市におの浜1-1-20(ピアザ淡海2F) 電話 : 077-524-8440 ファックス : 077-524-8442