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淡海ネットワークセンター(Ohmi Network Center for Voluntaly Organizations)
淡海ネットワークセンターは、地域や社会の課題解決に自主的に取り組むNPOや市民活動をサポートしています。


地域に生きる
〜団塊世代に贈るNPO的生活のすすめ〜

 1947年生まれの団塊の世代第一期生が定年を迎える2007年。大量の企業退職者が地域社会に戻ってくると予想されています。特に関西都市圏へ通勤するサラリーマンが多い滋賀では、これまで地域社会との接点を持たなかった人たちが、自らの居場所を求めてNPOやボランティアに活動の場を求めて参加してくると考えられます。
 学園紛争の主役として、また企業戦士として各年代にエネルギーを振りまいてきたこの世代は、地域や市民活動にどのような影響を与えるのでしょうか。ちょうどこの世代にあたるお二人に対談していただきました。

■高田恵里子さん

1950年1月生まれ。滋賀県立男女共同参画センター所長。滋賀県教育委員会職員、公立小学校長を経て、2004年から現職。生涯学習の推進に携わった経験から、生涯学習と学習成果の活用についての重要性を感じてはいるが、手話サークルでの活動以外には、本格的な地域デビューはこれから。

■小久保 弘さん

1947年11月生まれ。NPO法人ライフステージ支援ネットワーク理事。今年1月にITメーカーを早期退職。約10年前に仕事で知り合った「多文化共生センター」の影響から市民活動に関わる。おうみ未来塾第5期卒塾生。

お二人はいわゆる「団塊の世代」にあたるわけですが、
「団塊の世代」とはどのような世代だと思いますか。

高田 自分が団塊の世代といえるかどうか微妙なところです。厳密に言うと団塊の世代というのは1947年から1949年生まれを指しますが、私は1950年生まれです。ただ早生まれなので1949年生まれの人たちと学年は一緒。自分では団塊の世代だと思っています。
小久保 「企業戦士」「会社人間」というのは、そのとおりだと思いますね。私がそうでしたし、周りを見てもそうでした。「過労死」という言葉が出たのも自分たちです。私は少し早めに今年1月でITメーカーを退職しました。月の残業時間が200時間にもなり、これではきついと開発からはずれて、関西にやってきてシステム営業、SEをやってきました。
高田 当時は女性は25歳までに結婚するというのが世間の見方で、出産後も仕事を続けるということがほとんどありませんでした。女性が働き続ける場は、教員や看護師といった一部の職種に限られていて、私は教員になりました。同級生には企業戦士の妻になった人が多くて、結婚退職して夫を支え続けて今に至るというのが多いですね。
小久保 企業の人はムラ意識が強くて、大企業ほどムラを作って、その中の人間としかつきあわなくなります。彼らには外で話ができる人がいない。以前会社で、同じ年代の人たちと生活設計についての研修を受けたことがありますが、みんな退職後は「悠々自適」と言っていました。つまり会社の枠から外れたら目標がないということです。自分はもともとそういうサラリーマン根性が嫌いだったし、特に関西に来てから外部との横の関わりが多くなってきたけれど。十年ぐらい前に仕事の関係で、多文化共生センターという市民団体と出会ったのがNPOと関わった最初です。
高田 男性は退職後悠々自適の生活をイメージしているそうですが、それは生活面の世話を妻がしてくれるという前提があってのことです。妻の介護とか妻に先立たれることを想定しておく必要がありますよ。私は50歳ぐらいから定年後どうするかなということは考えていました。私たちはとにかく数が多いということで注目されてきましたけれども、ひとくくりにされたくないという気持ちがあります。価値観はそれぞれ違うし、会社勤めの人も全ての人が退職後に濡れ落ち葉になるわけではないと思います。イメージで決めつけて欲しくないですね。
会社での意識を持ち込むと
市民活動はうまくいかないということは実感しますか。
小久保 NPOに関わると、この世代の女性は横のネットワークを駆使して、すごく自由な発想をすると感じます。自分でどうするのかを考え行動するという自立心の強さは、女性に感じられますね。
高田 企業人は縦型の組織の動かし方には慣れていますが、地域社会とかNPOとかボランティアというのは違いますのでね。こんな組織はダメだよ、とか、こんな会議のやり方は非効率だとか言って、会社でのやり方を持ち込んではうまく行かないようです。コミュニケーションの仕方が違うんですね。会社でのネゴシエーション、交渉というのは相手をいかに説き伏せるか、こちらの言い分をいかに有利に通すか、という交渉力ですが、地域のコミュニケーションは違いますよね。自分を立たせて、相手も立たせて、一見要領が悪そうだけれども、時間をかけて双方が納得して。ただ、事業型のNPOにとってはマネジメントに長けた人材が加わるのは助かると思います。
小久保 企業で役職がつくと、自分で企画を作らなくなります。若い人が考えたものをチェックするぐらいだから、自分で資料さえ作れない。肩書きを外されると全然使えないという人が多いので、企業から出てきた人は再教育しなければいけません。企業人は誰でも多かれ少なかれ会社の意識を身につけていますが、それをなかなか消せない人と一年ぐらいで消せる人の違いが出てくると思いますね。

「団塊の世代」が地域に還ってくることで
社会に影響はあると思いますか。

小久保 大量生産大量消費の担い手として、現代社会の悪い面をつくってきたのは団塊の世代だと言われることがあります。私たちは許容をとらずにガンガン言って突き進むところがあるんです。1クラス50人、1学年で15組とか20組とか今では考えられないような状況でした。そんな中で自分で何とかしなきゃというモチベーションが強かった。
高田 自分たちは意識しなくても全体のボリュームも相まって社会に影響を与えてきたというのはありますね。
小久保 ただ、今度地域に還るときはバラバラに生活することになります。だから社会にさほど大きな影響を及ぼすとは思っていません。

最後に同世代の人たちに対して
ひとことお願いします。
小久保 年金も減額されるだろうし、悠々自適なんて言ってられません。市民活動に参加するにしても趣味の範囲でボランティアという余裕はないと思います。事業性を持った市民活動を作り出せるのがわれわれの世代だと思っています。一緒に頑張りましょう。
高田 男女共同参画センターを利用するグループには、男性のグループもあります。仕事以外に地域の活動も大事にしたいと、仕事の時のスタンスと活動をしっかり区切っておられる。肩書きを脱ぎ捨てて、駐車場係でも何でもしてくださいます。女性も子育てが終わった後、まだ20年あります。自分はまだ小久保さんのように今後の具体的な道は見つかっていないのですけれど。「もう年だから」と自分でブレーキをかけたらダメ、何度でも挑戦したらいいと思うんです。「いつでも何度でも」、そういう気持ちを大事にしたいし、皆さんもそうして欲しいですね。

社会背景年表

 1945/昭和20年  第二次世界大戦終結
 1947/昭和22年  全国都市で給食開始
 1950/昭和25年  朝鮮戦争勃発
 1952/昭和27年  サンフランシスコ平和条約公布
 1954/昭和29年  三種の神器(冷蔵庫・洗濯機・掃除機)
 1956/昭和31年  日ソ国交回復
 1958/昭和33年  インスタントラーメン発売、東京タワー完成
 1960/昭和35年  カラーテレビ放送開始、ベトナム戦争激化
 1963/昭和38年  ケネディ大統領暗殺
 1964/昭和39年  東京オリンピック開催、東海道新幹線開業
 1966/昭和41年  ビートルズ来日
 1967/昭和42年  3C時代(カラーテレビ・クーラー・車)
 1968/昭和43年  3億円事件
 1969/昭和44年  東大安田講堂事件、アポロ11号月面着陸
 1970/昭和45年  大阪万博開幕、よど号ハイジャック事件
 1971/昭和46年  カップめん発売、マクドナルド1号店開店
 1972/昭和47年  沖縄返還、冬季オリンピック札幌大会開催
 1973/昭和48年  第1次オイルショック
 1974/昭和49年  コンビニエンスストア1号店開店
 1975/昭和50年  家庭用VTR発売、ベトナム戦争終結
 1977/昭和52年  平均寿命男女とも世界一
 1978/昭和53年  新東京国際空港開港、成田空港占領事件
 1979/昭和54年  第2次オイルショック
 1980/昭和55年  イラン・イラク戦争勃発
 1981/昭和56年  スペースシャトル初飛行
 1983/昭和58年  ファミリーコンピュータ発売
 1985/昭和60年  つくば万博開幕
 1986/昭和61年  レンズ付きフィルム発売
 1988/昭和63年  ソ連、ペレストロイカ
 1989/平成元年  消費税(3%)導入、天安門事件
 1990/平成2年  東西ドイツ統一
 1991/平成3年  湾岸戦争勃発
 1995/平成7年  阪神淡路大震災、地下鉄サリン事件
 1997/平成9年  香港、中国に返還
 1998/平成10年  冬季オリンピック長野大会開催
 1999/平成11年  特定非営利活動促進法(NPO法)施行
 2000/平成12年  介護保険制度開始
 2001/平成13年  アメリカ同時多発テロ
 2002/平成14年  日韓共催2002FIFAワールドカップ開催

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