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淡海ネットワークセンター(Ohmi Network Center for Voluntaly Organizations)
淡海ネットワークセンターは、地域や社会の課題解決に自主的に取り組むNPOや市民活動をサポートしています。

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特集:淡海とぴっくす
公共施設の運営には何が大切だと思う?

市民のチカラでもっと活かせる「公共施設」
〜指定管理の事例を通して考える〜
 1月24日に公共施設と市民のかかわりを考えるフォーラム『市民のチカラでもっと活かせる「公共施設」〜指定管理の事例を通して考える〜』を開催しました。本格導入からまもなく一年が経とうとしている指定管理者制度(※1)の事例を交えながら、あらためて「公共施設」のあり方について考えてみたいと思います。あなたにとって、だいじな公共施設はありますか?

※これまで行政が直接行ってきた公共施設の管理運営を民間が担うことを可能としたもの。NPOや企業が参入し、運営をしているところがある。
●西川 正さん
NPO法人市民活動情報センター・ハンズオン埼玉副代表理事。2005年、市民が運営する魅力的な公共施設を調査した報告書『私のだいじな場所〜公共施設の市民運営を考える』を編集・発行し話題となる。

公共施設のあちらとこちら劇場 〜西川の娘の保育所編〜
今年の夏祭り、木曜日になっていますがなぜですか? 例年金曜日ですが。
金曜日に子どもたちと振り返るためです。
夏祭りぐらいしか、親同士顔を合わせる機会がないんです。
職員会議で話した結果です。それは西川さんの意見ですね。他のみなさんはいかがですか?
ではみんなに聞いてみましょう。
 →一人ひとり話すが、
 圧倒的に金曜日か土曜日。
「夜まであると次の日たいへん」
「金曜日の方がまだ参加しやすい」
みなさんのお気持ちはわかりました。十分聞いて考えますが、あくまで決定するのはこちらです。
(むかっ)先生、今年こそ花火ができませんかね。あと、食べ物があると場が和むのですが。
だめです。近所から苦情がきます。食べ物は課の方からも避けるようにいわれています。
なんとかやれるように、私たちも動きます。近所も回ります。一方的に先生にやってくれとは言いませんから。
お気持ちはわかりますが、何かあったら責任を取らされるのはこちらなんですから、 決定はこちらでさせてもらいます。
(こっちだってがんばってやっているのに、親は言いたい放題で、勝手だ)
いったい何のための夏祭りなんですかね。お祭りってみんなで作るものでは…?
(結局所長は自分の都合しか考えていないのか)

 ●基調講演から
「私のだいじな場所」 
〜公共施設の市民運営を考える〜

 これは私の娘が通う公立保育所での一例です。「公共施設」と言っても、公民館・図書館・文化ホール・福祉施設など様々です。私は今まで施設職員とのやりとりを通して、「こちらの意見は聞いてもらえない」「いつの間にか決められていた」「言ってもむだ」そんな思いを数多く経験してきました。どうしてこのようなことがおこるのでしょうか。「よい公共施設」とはいったいどのような施設なのか、また、それを作り出すにはどのようなしくみが必要なのでしょうか。
 下図Aは、これまでの管理運営によくあるパターンです。ここでポイントは、「決める人」と「やる人」が異なっていることです。意志決定は上層部で行い、それを行う現場は決めたことをやる側になっています。決定権のない現場は、やらされる仕事、とらされる責任となってしまい、結果、「なるべくことをおこさない」という仕事の姿勢が生まれ、事例のような対応になってしまうのです。
 逆に、現場に決定権があれば、現場には責任感が生まれてきます。図Aの構図が若干崩れてきます。図Aは、意思決定やサービスは管理側から利用者への一方通行に、利用者からは「苦情」という形になっているのに対し、図Bは、意志決定に、現場だけでなく、市民も参加しています。ここが大切なポイントです。「決める」プロセスに参加することで、市民は「お客様」ではなくなります。「口をだすけど、手もだしてもらう」ことで、責任感と愛着が生まれるのです。これには、管理側は「市民のために」から「市民とともに」への発想の転換が必要ですし、合意形成へのデザイン力も求められます。また、意志決定にはコストも時間もかかる場合が多く、口でいうほど容易ではありません。実際には、図Aと図Bの間で悩むことになるでしょう。しかし、市民自身が話し合い、気づき、課題を認識し、それを解決する。その過程を経ることで、それぞれの公共施設が「私のだいじな場所」になっていくのではないでしょうか。みんなに口を出してもらうこと、多様な市民が話し合って合意形成をすることからしか、「公共」は生まれないのです。

図A
図B

 ●パネルディスカッションから

●阿部圭宏さん●
市民活動・NPOコーディネーター。NPO法人市民がささえる市民活動ネットワーク滋賀(通称NPO市民熱人)代表など。
e-mail:yoshi-ab@mx.biwa.ne.jp
●高見啓一さん●
NPO法人FIELD専務理事。米原市役所に勤めていた時に、市民との取組で近畿発方式の「乗合タクシー」を導入。
●藤田知丈さん●
マルチメディアセンター所長(CM2グループ所長)。NPO法人五環生活副代表理事。おうみ未来塾7期生など。

Q.指定管理者制度が導入されて現状と課題は?

阿部 「官から民へ」の流れをうけて始まった「指定管理者制度」。なかには公募がなじまないものもあると思いますが、初年度は、公募が全体の三割に過ぎず、非公募・特定指定が約七割を占める結果となりました(※2)。また、公募したことによる混乱や、行政が無理に受け皿団体をつくって指定した事例も見受けられます。選定においては一般的に外部委員を入れた選定委員会で行われていますが、選定基準を行政だけで決めている場合が多く、まだまだ問題が多いと感じます。
 施設にはそれぞれ設置目的があります。貸館など管理重視の施設もあれば、保育所のように運営重視の施設もあります。多様な性格をもつ施設を一つの制度に落とし込むわけですから、実施段階に移す前に、行政職員は、今一度この制度を正しく理解し、この制度で対象となる施設をどう活かしていくのか、施設に合わせた戦略が求められます。また、人件費の占める割合が高くなることが多い管理料(委託料)を経費削減のために必要以上に切りつめると、管理の質そのものが問われてくるでしょう。
 一年が経ち、しっかり評価していくとともに、制度の導入がされていない直営施設をどうするのか、指定期間満了後の再指定手続きをどうするのかなどにも、今後とも市民が積極的に関心を持つことが必要です。
※2「指定管理者制度の導入状況に関する調査(2006)」(指定管理者制度の導入に関する調査委員会)による

Q.指定管理で、施設はどのように変わりましたか?

高見 NPO法人で指定管理を受けて、公民館を運営しています。指定管理で一番大きく変わったところは、利用者層が一般に大きく広がり、親子連れからお年寄りまでワイワイと活気ある施設になったことです。来館者からは「館内の雰囲気が明るくて入りやすくなった」「職員が来館者との会話の時間を大事にされていることがよい」「事務室から挨拶されるのが気持ちいい」などの声をいただいています。これは「地域課題の解決を担う公民のための館」である公民館の本質に立ち返り、利用者と一緒に「みんなの公民館」をつくろうとしてきた結果だと思います。

Q.指定管理を受けて、大切にしていること、困っていることはありますか?

藤田 私たちのように、企業が指定管理者になっていると、お金のため、と思われがちですが、それだけでなく、企業も市民の一員として、地域の役にたちたい、そんな思いで運営をしています。我々の指定期間は三年ですので、三か年計画をたてて、目標をもって取り組みを進めています。創意工夫で施設価値を高め、指定管理料としていただいている以上のコトを市民に還元したいと思っています。
困っていることですが、指定期間が限られていることや、行政のしくみ上、さらなる経費節減や施設改善がしにくい部分があります。また、パソコン更新のための利用料の変更など、条例がカベになって、我々だけでは取り組むことが難しい課題もあります。

Q.指定管理を受ける団体、出す行政に一言お願いします。

高見 これからの指定管理者には、施設の目的をしっかりと理解し、施設の可能性を広げていくことが求められると思います。私たちは、指定管理業務以外に、米原駅東部の土地区画整理事業をPRする企画業務を市から人件費込みで受託しました。公民館で区画整理事業の展示を行い、住民にその概要を伝え、意見をもらって市に報告する、また、地元の子どもたちに区画整理後のまちの姿をブロックで作成してもらうなど、自分のまちが変わる過程に市民に参加をしてもらいました。こうした施設価値の向上のために、管理業務外の取り組みを協働させてもらえたのは、指定側である行政側の理解があったことが大きいと思います。

阿部 市民にとって公共施設は、自分たちの財産です。行政にすべてを任せるだけでなく、市民自らも積極的に運営に関わっていくという姿勢が大切です。これこそが本当の「公共」施設ではないかと思っています。

 NPO法人FIELD(フィールド)
中枢スタッフはすべて20代の若手NPO。子どもの時に米原公民館に関係のあったメンバーが中心となって、子ども企画をサポートする市民団体「子育ち支援NPO FIELD」を発足。指定管理者を受けるため法人化。公民館は「一緒につくるみんなの米原公民館」をテーマに「たまり場」となる空間づくり、市民とともに企画する場づくりを行っている。
※2006年・2007年おうみNPO活動基金助成採択先
指定管理場所:米原市米原公民館
指定期間:1年
住所:米原市下多良3丁目3番地
TEL:0749-52-2240
FAX:0749-52-2242
e-mail:city.maibara-k@mountain.ocn.ne.jp
URL:http://blogs.yahoo.co.jp/megumail0523
 CM2グループ(キタイ設計(株)+関西明装(株))
CM2グループは、キタイ設計(株)と関西明装(株)が公共施設の創造的運営・管理をミッションに掲げて設立した共同事業体である。マルチメディアセンターは、近江八幡市と市民の情報化をサポートする公共施設。「パソコン」「インターネット」「IT」「メディア」といった“道具”を正しく、上手に使いこなせる市民を増やすことで、市民1人ひとりの活動力とネットワーク力を広げ、その結果として、元気で活気のある美しい近江八幡のまちを守り育てることを使命としている。
指定管理場所:近江八幡市マルチメディアセンター
指定期間:3年
住所:近江八幡市出町645-4
TEL:0748-31-0800
FAX:0748-31-0801
URL:http://multimediacenter.jp/top.shtml
e-mail:mmc@multimediacenter.jp


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