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淡海ネットワークセンター(Ohmi Network Center for Voluntaly Organizations)
淡海ネットワークセンターは、地域や社会の課題解決に自主的に取り組むNPOや市民活動をサポートしています。

おうみをかんがえる…
淡海ネット・コラム
「現代社会とNPO」
ー第1回ー

阪神淡路大震災とボランティア活動

 市民活動やボランティア活動などが、現代社会にとって非常に重要な役割を担っていることが、今日広く認識されるようになってきました。今年の3月に国会において全会派一致で成立した「特定非営利活動促進法」は、市民活動団体等の非営利組織(NPO)が法人格を得やすくすることをとおして、こうした活動を支援することを目的としています。では、市民活動やボランティア活動は、現代社会においてどのような機能を果たしているのでしょうか。このことを「現代社会とNPO」という連載の中で考えてみることにしましょう。
 さて、先進諸国の政策担当者たちが、現代社会を構成する重要な要素として非営利組織に注目を示し始めたのは、第二次大戦後の政治経済システムの転換が迫られた1970年代後半からです。しかし日本において、ボランティア活動等の非営利組織への注目が一気に高まったのは、「ボランティア元年」とも呼ばれた1995年の阪神淡路大震災以降でした。
 阪神淡路大震災は、一方で、国や地方自治体の行政の側が大災害に対して事前に十分な準備をしておらず、また災害発生直後も非能率にしか対応できなかったのに対して、他方で、被災市民の側が自制心を失わず比較的秩序だって行動し、全国的な市民ボランティアの活発な活動が重要な機能を果たしたことを明らかにしました。またその後の過程においても、多様な自主的市民団体の存在している地域において、復旧がスムーズに進行したことも事実でした。
 確かに行政は当初の救援活動における非能率を改善し、ボランティア団体や地域の市民活動団体との連携をはかる方向へと舵取りを大きくかえましたし、防災対策への取り組みも進んでいるようです。しかし、地域社会を運営するには、行政のみでなし得ることには限度があり、多様で多元的な市民の自主的な取り組みと、それを支える制度と、そうした活動と連携しながら施策を進めていくパートナーシップ型行政への転換とが必要なことを、阪神大震災の経験は私達に教えてくれました。また多くの市民が、自らの利害に直接関係のないことであったとしても、重要だと思われる社会的活動に積極的に参加する存在であることも改めて教えてくれました。
 現代社会を構成するのは、政府と企業と家族(個人)だけなのではなく、市民活動やボランティア活動を担う非営利組織もその重要な要素であり、多くの市民は積極的にそれに参加しうる存在であることは、阪神淡路大震災の経験の私たちへの重要なメッセージなのです。
北村 裕明(きたむら・ひろあき)

滋賀大学経済学部教授
(財)淡海文化振興財団運営会議 座長
1953年石川県生まれ。1981年京都大学大学院経済学研究科博士課程修了。京都大学博士(経済学)。滋賀大学経済学部教授。財政学、地方財政論担当。著書に「現代イギリス地方自治の展開」(共編著、法律文化社、1993年)、「現代の財政」(共著、有斐閣、1996年)など。


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