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淡海ネットワークセンター(Ohmi Network Center for Voluntaly Organizations)
淡海ネットワークセンターは、地域や社会の課題解決に自主的に取り組むNPOや市民活動をサポートしています。

NPO国際フォーラム・イン・しが
T O P I C

英国のチャリティ制度に学
会場風景
 平成10年12月1日は、わが国の市民活動にとって歴史的な日となりました。
 NPO(民間非営利団体)に法人格を付与する「特定非営利活動促進法(通称:NPO法)」が施行されたからです。
 この記念する日に、滋賀県と淡海ネットワークセンターでは「NPO国際フォーラム・イン・しが」を琵琶湖研究所で開催しました。
 ゲストは「英国チャリティ委員会」代表コミッショナーのリチャード・フライズさんと、チャリティ団体である「障害者の自立支援活動の国際組織(ADD)」の代表理事 バーバラ・フロストさん。
 NPO活動の先進国であるイギリスの事例を学ぼうと、約90人の県民・行政関係者が熱心に聴講しました。
 その内容を要約再現してお知らせします。

開催プログラム
基調報告
 1)「英国におけるチャリティの活動と支援システム」
   リチャード・フライズさん
 2)「チャリティへの支援の実際と信頼の形成」
   バーバラ・フロストさん
質問と意見交換
 コーディネーター 北村裕明さん


チャリティとチャリティ委員会 リチャード・フライズさん
英国独自の制度である「チャリティ」について

英国には約50万のボランタリー団体がありますが、そのうち約18万団体が「チャリティ」団体としてチャリティ委員会に登録されています。チャリティ法で「何が公益(チャリティ)か」という判断基準が決められており、それにもとづいた法的資格を持つのがチャリティです。
チャリティには4つの原則があります。
1 公益を旨とする
2 独立的な運営をする
3 非営利的事業を行う
4 政治団体ではない
ということです。NPOとよく似ていますが、イギリスではNPOと言えば誤解を招きます。なぜなら、チャリティは「利益」を生み出してもよい団体だからです。ただし、生み出した利益は分配するのではなく、チャリティの運用に使われます。大きなチャリティは給料を出して多くの人を雇っており、その費用をねん出する必要もありますから。

チャリティ委員会について

チャリティをサポートするための国の機関ですが、独立した権限を持っています。スタッフは570人ほど。年間約40億円の資金で活動しています。委員会は「公益」の判断をし、チャリティの「登録」「支援」「モニタ(監視)」にあたっています。

チャリティについて重要なことは
-ますます重要になる説明責任-


チャリティの活動は、その時代に人々が求めるものが対象となります。社会の変化で「公益」は変化するため、チャリティも柔軟で多様なものとならざるを得ません。毎年四千ほどの新しいチャリティが登録されていますが、消えていくものもあります。チャリティは社会の変化とともに変わっていくんです。チャリティになるメリットは、まず社会的信用があります。公益活動をしていると認められ、お金や時間についての支援が得やすくなります。税制面の優遇措置もあります。こうしたことから、活動内容、活動結果、資金の使い方などをきちんと説明する責任が発生します。いわゆるアカウンタビリティ(説明責任)です。そのチャリティが本当に公益に寄与する活動をしている証として、それぞれの規模に適した形で毎年活動報告や財務諸表を提出することになっています。アカウンタビリティは一般社会からのチャリティに対する信頼を維持するうえでも大切です。これがないと寄付金や補助が集まりにくいですから。
リチャード・フライズさん
(英国チャリティー委員会代表コミッショナー)

1940年生まれ。1965年内務省入省。1982年刑事裁判法制定の法案委員長として活躍。特に、青少年犯罪法の見直しや入国管理法、民族問題を専門とする。1987年より91年まで内務省事務次官(ボランティア・チャリティ政策担当)。1992年6月より現職。1993年のチャリティ法令制定を監督。
リチャード・フライズさん




チャリティを成功させる5つのポイント バーバラ・フロストさん
ADDについて

ADDでは、アジア・アフリカの13カ国で貧しくて障害のある人達の援助をしています。どちらかというと人権的なアプローチです。健常者と同じ人権を社会の中で実現するため、自立意識を持っていただき、立ち上がっていただくお手伝いです。さらに、その国の市民社会の形成のサポートも。そうした国では市民社会の確立自体が大変な仕事なんです。
15年前、10万ポンドの資金で2カ国で活動を開始しましたが、今では13カ国、150万ポンド(約3億円)ほどです。資金調達先は政府、自治体、他の国の政府、自治体、そしてトラスト(信託)などです。

チャリティ活動を成功させるコツは

5つあると思います。

1社会のどこにギャップ、不足があるのか、需要があるのかを見つめ続けること。このギャップを埋めていくのが私たちの仕事ですから。
2活動は援助先の自助努力を醸成していくものであること。援助は長期間持続できるものではありません。
3常に「なぜ、こうやっているのだろう」「本当にしなきゃいけないんだろうか」と自問し続けること。環境は常に変わり、人々が求めるものも変わっていくからです。私たちのような「援助する」チャリティの場合、最終的には私たちの存在価値がなくなったほうがいい。それくらいの気持ちで取り組むべきです。
4資金をどうして調達するか。それには短期的、長期的な便益を明確にすること。でないと資金がうまく集まりません。
5良好なマネジメントシステムを確立すること。適切なリーダーシップも大変重要ですね。
バーバラ・フロストさん
バーバラ・フロストさん
(ADD:障害者の自立支援組織代表理事)

オーストラリア・ニューサウスウェールズ州で在宅ケアサービス開発部長(1986〜89)。セイブ・ザ・チルドレン英国の南部アフリカ地域事務所次長(1991〜92)、アクション・エイド・マラウイ事務所長等を歴任。1996年より現職。



日本の皆さんへのメッセージ
リチャードさん
イギリスでは、チャリティは400年の法の枠組みがあり、こういった新品の法律で新しい試みというのは羨ましく思います。次に日本に来るときには、この法律によってNPOやその使命感が花開いていることになるかと思います。課題もたくさんありますが、皆が経験していることです。大丈夫だと思います。
バーバラさん
確かに日本とイギリスは組織は違いますが、イギリスと同じように使命感をもち活動する団体がたくさんあります。新しい法律をきっかけにより皆さんの活動に拍車をかけてもらいたいと思っています。それを可能にするのは皆さん自身なのですから。イギリスより日本の方がより地域に根付いている点で進んでいると思いますし、ネットワークキングのしかたも違います。これからも相互に交流し、教え合っていきたいですね。


今回のフォーラムを振り返って
   コーディネーターから 北村裕明さん
北村 裕明 さん
今回のフォーラムでは、イギリスの歴史あるチャリティが、その伝統に縛られずに社会状況に対応してダイナミックに変わっていることに感動しました。必要とされる大きな改革を、政府とチャリティが連携しつつ行い、同時に連携の仕方をも再構築しているということは、これからの日本を考える上でも参考になるんじゃないでしょうか。また、チャリティやボランティア団体、NPOが力を得れば得るほど、それらのアカウンタビリティが重要になるということは英国、日本に共通する課題ですね。



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